ブルックナー 交響曲第5番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年 シンフォニーホール

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ブルックナー 交響曲第5番

朝比奈隆の軌跡シリーズの1つで、SACD化されての再発売。この演奏会も実際にきいている。このシリーズは、シリーズ券で毎回同じ席だったのだが、音響的にあんまりいい席ではなかったのが残念。2001年4月21日、大阪、ザ・シンフォニーホール(ライヴ)この時期、大阪勤務だったため、朝比奈さんの大阪でのコンサートのほとんどに行けたというのは、実にラッキーだった。このころの朝比奈さんは、まだ元気だった。この演奏会も好調で、実にすばらしいものだった。

朝比奈さんは、このブルックナーの5番をよく取り上げていたが、このザ・シンフォニーホールでは、これが唯一の演奏である。大阪では、いつもフェスティヴァルホールだった。

この演奏会のとき、私は、大阪勤務だったのだが、東京から友人が聴きに来ていた。終演後いっしょにレストランに行ったのだが、そこで、シノポリの急死を知ることになるのである。

聴いてまず思うのは、驚異的な音のよさ。SACDになって、個々の音も良くきこえるし、ものすごく自然な音響で、本当に今ここでやっているように聴こえる。EXTONのこのシリーズがこれほど音がよいのは、やはりオリジナルDSD録音であること、マスターが日本に存在するからだと思う。このソースで、ダイレクトSACD造ってほしい。

第1楽章は、かなりゆっくり目のテンポ。このころの朝比奈さんは、かなりテンポが速くなっているのだが、それはあんまり感じない。ただ、シカゴでやったものよりは早い。なかなか重量感、安定感のある表現。

第2楽章もじっくりとよくきかせてくれる。

第3楽章は、思ったよりテンポは速い。朝比奈調スケルツォで、かなり重量級。

第4楽章になると、この時期のテンポの早い、そして非常に格調の高い表現になる。オケがよく鳴っていて、すばらしい音響。音響に酔いしれてしまい、もうとっぷりと音に浸る幸せを感じる。聴いていると、どこか別世界にいるような錯覚を覚える。ふとわれにかえる、という感じ。きいていて雑念が生じない。それが、朝比奈さんのブルックナー。

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