ジャンジャンによるレコーディング。
これは、ライブではなく、セッション録音。
LPでは、あまりステレオ感がなかったが、CDはオンマイクで横に広がる。もともとワンポイントとマルチの両方のマスターがあり、LPはワンポイント、CDはマルチを使っている。
LP時代、モノ的に聴こえ、とくにフロリアン盤があるなかで、あんまり聴く気がしなかったのだが、CDはマルチのマスターで、音がかないリッチになり、今聴くとけっこうおもしろい。
神戸文化ホールの響きのためか、比較的アラがめだたない。このシリーズのものでは、かなり上質の音である。
フロリアン盤と比べると、ずっとテンポもはやく、線も太い。しかし、テンポははやいものの、フロリアン盤とスタイルはよく似ている。この時点で、演奏スタイルが確立されている。
思いのほか、純度の高い音で収録されている。
第1楽章
なめらかにはじまる。演奏スタイルが後年のものとそう違いがない、非常にこなれた演奏。コーダも、猛烈に遅いテンポになっており、フロリアン盤と共通。
第2楽章
基本フロリアン盤に近い、もうすこしテンポがはやく、線が太い。朗々として歌がある。
第3楽章
朝比奈さんのスケルツォとしては、テンポが速い。しかし、重量感は失わない。
第4楽章
朗々と、また堂々と。1、2楽章にウェイトをおきがちだが、フィナーレとして非常に立派な演奏になっている。
・交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ハース版)[67:44]
第1楽章:20:50
第2楽章:23:10
第3楽章:09:34
第4楽章:13:10
録音時期:1976年4月14日
録音場所:神戸文化ホール
録音方式:ステレオ(セッション)