ブルックナー 交響曲第7番 ほか 朝比奈隆 大フィル 聖フロリアンライブSACD

待ちに待った聖フロリアンのライブが、いよいよシングルレイヤーSACDで発売されます。
聖フロリアンだけでなく、フローニンゲンの演奏、そして、1992年のベートーヴェンの7番とマイスタージンガーも含まれています。

FM放送
ジャンジャンの全集の特典LP
ビクターの2枚組LP
ビクターのCD
ALTUSのオリジナルマスターによるCD
ALTUSのオリジナルマスターによるLP
と出てきました。
そして、待ちに待ったシングルレイヤーSACDです。

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構成数 | 1枚
【曲目】朝比奈隆/大阪フィル ヨーロッパ公演1975&1992
1. アントン・ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107(ハース版)
2. アントン・ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB.107(ハース版)
3. リヒャルト・ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲
4. ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92

【演奏】
大阪フィルハーモニー交響楽団
朝比奈隆(指揮)

【録音】
1975年10月12日
ザンクト・フローリアン修道院マルモアザール(オーストリア) (1)
1975年10月26日
オースターポート大ホール(オランダ) (2)
1992年11月9日
自由ベルリン放送協会ゼンデザール(ドイツ) (3,4)
以上、ライヴ録音

【原盤】
Altus

【Remastering(DIGITAL)】
2021年にAltusレーベルの斎藤啓介氏により、最新マスタリングを行いDSD化

気合充分の欧州楽旅。
伝説のザンクト・フローリアン公演を含むふたつのブル7と、全てを出し尽くしたベト7。
メイン3公演分をSACDシングルレイヤー1枚に収録!
世界初SACD化

ALTUSレーベルから発売された朝比奈隆&大阪フィルのヨーロッパ公演をすべてまとめて最新リマスターを施したうえで初SACD化。75年の第1回ヨーロッパ公演からは、聖地ザンクト・フローリアンで行われた伝説の演奏と、その2週間後に行われた楽旅最終公演であるフローニンゲンでの演奏、2種のブルックナー7番を収録。演奏の素晴らしさは言うまでもありませんが、会場の特徴を考慮したテンポ設定(前者の方が遅め)と編成(後者のみ倍管)の違いも実に興味深く、両方聴けばさらなる感動があります。前者は第2楽章後の鐘の音や第1楽章後の拍手も完全収録されておりドキュメントとしても大変貴重。そして92年、3度目のヨーロッパ公演からは最終日に披露されたベートーヴェン7番。倍管編成で臨み渾身の力で演奏、終演後に「この日のためにベートーヴェンを演奏してきたんだ」と声を震わせて語った名演奏です。

これらの3公演は朝比奈と大阪フィルの力を見事に発揮した欧州公演の貴重な記録です。特に1975年の2公演は場所(ホールの音響特性を含め)の違いが如実にわかる演奏であり、10/12のザンクト・フローリアンでの演奏は長らくビクター盤がロングセラーを記録していた伝接的な音源でした。このALTUS盤は、2016年に新マスタリングで完全復活した音源で、初出時でのジャンジャン盤特典およびビクター盤でカットされた1楽章演奏後のブランクと小鳥の鳴き声が聞こえた後、演奏のあまりのスケール感に打たれた聴衆が、自然発生的にじわじわと拍手が湧き上がる箇所も復活した貴重な音源としても発売時は話題になりました。また終演後の演奏の感動を伝える拍手も6分!収録。そして、宇野功芳氏が神の恩寵と称える第2楽章演奏後に奇跡的聞こえてきた5時の修道院の鐘も収録されており、今回の初SACD化ではその臨場感も従来より生々しく響く様はまさに感動的です。尚、当日演奏会にはノヴァーク版のノヴァーク教授も臨席していました。今や伝説化しているこの公演記録が満を持して高音質で堪能できます。もうひとつの10/26のオランダでの音源はエンジニアである平澤佳男氏が同行録音したもので、大変秀れた音質で残されておりました。2011年にALTUSレーベルから発売され、朝比奈らしい不動のインテンポでの堂々たる演奏が繰り広げられています。その上、特別なヨーロッパでの公演のためか、ある種ただならぬ緊張感が漂う見事な出来栄えでこの演奏も聴く者を圧倒させる演奏として知られています。
(1/2)
タワーレコード (2021/10/06)
両者による最後の海外公演となった1992年の欧州3か国での公演のうち、最終公演となったベルリンでのこの11/9のライヴはかつてビクターで発売された音源で、2015年にオリジナルマスターより新マスタリングが行われ、ALTUSレーベルから発売されたものです。朝比奈自身が大変気に入ったようで、公演後に「この日のためにベートーヴェンを演奏してきた」と関係者に語ったほど満足のいく演奏会だったとのこと。公演会場である自由ベルリン放送(SFB)ゼンデザールは同放送局内にある非常に音響の良いホールとして知られており、朝比奈自身もこのホールをベルリンで一番好んでいました。録音はSFBの録音らしく解像度が高く繊細な音で、日本での録音の朝比奈大阪フィルのものとは異なる響きを楽しめます。いずれもライヴ音源のため、高解像度のSACDではこれまでと異なる朝比奈の魅力が見えてくると思います。今回の復刻では、Altusレーベルの主宰者である斎藤啓介氏による最新のマスタリングを施した上で、計210分ほどを1枚のSACDシングルレイヤー盤に収録しました。尚、解説書は市販CD発売時の各解説をそのまま掲載しています。
(2/2)
タワーレコード (2021/10/06)

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【伝説の名演】ブルックナー 交響曲第7番 朝比奈隆 大阪フィル 1975年 リンツ 聖フロリアン CD LP

この朝比奈隆会心の演奏は、大フィルにオリジナルマスターテープが存在するといわれておりましたが、ALTUSより、発売されました。

宣伝では、第1楽章のあとの拍手がはいっているとか、ノーカットを強調しておりますが、そんなことより、なんといっても、オリジナルマスターテープだからこそ味わえる音の良さが聴きものです。ビクター盤は、残響成分が多く、やわらかい音が印象的ですが、このALTUS盤は、非常に厚みのある芯のある音で、かなり印象が異なります。熱い思いが直接つたわってきます。LPもあります。

なお、オーストリア放送協会も公式の録音をしているという情報もあります。その放送を聴いてオーストリアの熱心なファンが手紙をよこしたのいうのは有名な話ですから。

032

CD
朝比奈隆 ブルックナー 交響曲第7番 フロリアン新盤

LP
朝比奈隆 ブルックナー 交響曲第7番 フロリアン新盤 LP

そしてSACD
朝比奈隆 ブルックナー 交響曲第7番 フロリアン SACD

ブルックナーの眠る聖地ザンクト・フローリアン修道院での伝説的ライヴ
「朝比奈隆 聖フローリアンのブルックナー」が新マスタリングで発売!
録音者平澤氏秘蔵のオリジナルマスターテープから初の完全収録で登場
初出ジャンジャン全集盤特典、ビクター盤でカットされた箇所が見事に復活

契約切れで長らく入手難であった朝比奈隆の代表盤といわれる聖フローリアン修道院での7番がアルトゥスより新マスタリングで完全復活。うれしい事に初出でのジャンジャン盤特典およびビクター盤でカットされた1楽章演奏後の沈黙と小鳥の鳴き声が聞こえた後、演奏のあまりのスケール感に打たれた聴衆が自然発生的にじわじわ拍手が湧き上がる箇所も復活。今まで文献のみで語られた伝説の拍手ですが、こうやって完全収録盤で聞きなおしてみますと、曲を知らないが故の事故的拍手などでなく、巷間語られてきたように演奏の迫真に打たれた聴衆の自然発生的拍手であったことが分かります。また終演後の演奏の感動を伝える拍手も6分!収録。また宇野功芳氏が神の恩寵と称える2楽章演奏後に奇跡的聞こえてきた5時の修道院の鐘も万全です。音質はやわらかで7秒の見事な残響が美しくオーケストラは広大になりわたります。ちなみに当日演奏会にはノヴァーク版のノヴァーク教授も臨席、「すばらしい演奏のまえには版の問題は関係ない」と名言を残し演奏を絶賛したとのエピソードも有名です。
キングインターナショナル

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HMVはこちら

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以下は、最初のCD

4988002128273

朝比奈さんの生誕100周年記念盤の数々を聴いているところで、原点に立ち戻り、聖フロリアンでの実況録音を聴く。 ビクター VDC-1214

以下をクリックすると、タワーレコードのサイトに行き、一部試聴ができます。

↓  ↓  ↓

 

4988002128273聖フロリアンのブルックナー 交響曲第7番

これは、最初FMで放送され、その後ジャンジャンから出た最初のLP全集のオマケについていたもの。このオマケ盤はLP1枚に切られていたので、音に余裕がなかった。その後、ビクターからLP2枚4面で一般発売された。これで、ものすごくいい音のLPが出たわけである。CD化されたのは1987年で、それから番号を変えることなく販売されている長寿CDである。私は、1枚目は傷をつけてしまい、うまくトレースしなくなったので、2枚目を買った。

この演奏については、朝比奈さんが、日本経済新聞の「私の履歴書」で書いているし、いろいろなエピソードが語られている。演奏会の前にブルックナーには宗教性が絶対必要だと話しにきた紳士の話、レオポルド・ノヴァークが聴きに来ていて、演奏会のあとで、朝比奈さんがノヴァーク版を使わなかったのでわびたが、楽譜は学者の仕事で演奏に版は関係ないと答えたという話(これは朝比奈さんがこう言っていた。「すばらしい演奏のまえには版の問題は関係ない」というのは、ちょっとニュアンスが違う)、演奏会のあとで、一聴衆(たしか放送を聴いたとか)から手紙がきて、今まできいたどんなブルックナーよりすばらしかった、ワルターやクレンペラー以上だったとか、録音したらぜひ買いたいと書かれてあった。

この実況録音のビクターのLPが出たとき、第2楽章と第3楽章の鐘の音も録音されていた。最後の拍手も全部LPに収められていた。レコード芸術誌では、N響アワーの司会をしていた某音楽評論家が、このことをバカにするような批評が書いていた。演奏についても、日本のオケは下手で、とくに後半へたっている、ということしか書かれていなかった。ほとんど、門前払いの批評だった。朝比奈さんの録音がレコード芸術誌で絶賛されだすのは、宇野さんが批評を書き出してからである。ある日突然、レコード芸術の交響曲部門の担当がいつのまにか宇野さんになっていて、それを知らずに読んでいて、大フィルをほめている記事があったので、一瞬アレ?と思ったものだ。

この鐘の音、実際聖フロリアン教会に行くと、本当にこんな風に聴こえる。チーン、チーンと、非常に遠くから小さい音で。これくらいなら、演奏中になっても聴こえない。ただ、私はブルックナーオルガンのある大聖堂できいたが、この演奏会はマルモアザールで行われたものである。このホールが違うこと、帰国してから気づいた。やはりマルモアザールはみてみたかった。この旅行のとき、ここを訪問したのは、日曜の朝。ミサをやっていた。オルガンといいコーラスといい、天国からの響きのように聞こえた。

この聖フロリアン教会でブルックナーの交響曲が演奏されたのは、この朝比奈さんが世界最初だという話をどこかで読んだことがある。これが好評だったので、このあと、いろいろ取り上げられているという。現地で買ったLPは、ヨッフムの8番。それから、あとで、ピエール・ブーレーズ~ウィーンフィルの8番がある。カラヤンもやっている。

この演奏が実現したのは、大阪フィルの最初のヨーロッパ公演だが、当初予算が足りなくて、大阪で募金活動をしていた。壮行会というか、直前の定期演奏会でもこの7番をとりあげた。私はこの演奏会をききにいったのだが、それまでの大阪フィルとはまったく違う、清涼なサウンドに驚いたものだ。しかし、大フィルがここでブルックナーの演奏会をやるなんていう企画、誰が考えたんだろう。東洋のわけもわからん連中が、ここに眠る大作曲家の交響曲を演奏するなんて。当初は、リンツのホールでやる予定だったのだ。

※その後知ったのは、事務局の小野寺さんがリンツ公演に執念を燃やしていたということと、当日、
ホールとホテルが大きな学会があるとかでたまたま空いていなくて、マルモアザールはどうか、
という話になったらしい。

大フィルがこの演奏旅行で演奏したブルックナーの7番は、ほかの場所での録音もある。ぶらあぼがネット配信で時限を設けて出していたのだが、私はききそびれた。そのうち、出てくると思っていたからだが、その後出てきていない。100周年の記念で、新しいソースはまだ出ていないので、ぜひ出してもらいたい。

※この「ぶらあほ」の配信は、発売されたオランダのものとはちがうスイス公演だったと思う。

しかし、この演奏、奇跡としかいいようがない。あの下手な大阪フィルが、実に澄んだ美しい響きを出している。残響が長いので、いつもとはちがって弦主体で金管は押さえているようだ。テンポは著しく遅く、ほかの演奏とくらべて10分くらい長い。練習中、ゲネラルパウゼのところで、響きが長くのこるのをきいて、オケのメンバーはにっこりとして、このパウゼの意味を知ったという。このホールは小さいので、全員がステージにのれたわけではなく、ちょっと小さい編成ということもあって、響きがきれいなんだろう。第2楽章と第3楽章の間にちょうど時報の鐘が鳴った、というのも神がかりのような物語として語られている。これは、意図的だったか偶然だったかわからないが、本当にエピソードだらけの演奏である。

ただ、この演奏、朝比奈さんのほかの録音と比べるとかなりスタイルを異にしている。テンポが非常におそいこと、金管の音量が少々押さえ気味であることなど。こういうスタイルの演奏、このあと何回も録音されているが、二度と出てこなかった。このホールの音響が生んだ奇跡の超超名演奏となった。

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