ベートーヴェン 交響曲全集 7回目 朝比奈隆 大阪フィル エクストン

朝比奈さん生涯最後の全集の記録です。

これはエクストンで録音されています。映像もあります。

この全集は、まず1曲ごと2枚組で、2種の演奏をセットで出していました。これが9セットあり全部で18枚になっています。最晩年の朝比奈さんは、すべての演奏会が録音されていました。それで、同一プロで、東京、大阪、福岡、札幌などで演奏していましたので、そのうち2つをセットにしていました。たた、8番だけは、1回しか演奏していないので、ちょっと古い録音がセットになってでています。

基本的に、大阪のシンフォニーホールで行われた朝比奈隆の軌跡、大阪フィルの定期演奏会での2,6、年末の9の組み合わせです。そのほか東京定期と福岡での演奏会のライブが採用されています。

私は、東京と大阪での演奏会は、全部聴いています。第3などは、私は大阪の方が好きでしたが・・・。

その9曲のうちひとつを選んで、SACDで全集となって、すこしお安く発表されました。2枚組については、個々の演奏のコメントで触れることにします。

ハイレゾ音源

ベートーヴェン 交響曲全集 ハイレゾ

DISC1
・交響曲第1番
・交響曲第2番
DISC2
・交響曲第3番『英雄』
DISC3
・交響曲第4番
・交響曲第5番『運命』
DISC4
・交響曲第6番『田園』
DISC5
・交響曲第7番
・交響曲第8番
DISC6
・交響曲第9番『合唱』
 菅英三子(ソプラノ)
 伊原直子(アルト)
 福井敬(テノール)
 多田羅迪夫(バリトン)
 大阪フィルハーモニー合唱団
 大阪フィルハーモニー交響楽団
 朝比奈隆(指揮)

 録音:2000年(ライヴ)
 第1番、第3番:7月23日 サントリーホール
 第4番:5月3日 アクロス福岡
 第5番:5月10日 大阪、ザ・シンフォニーホール
 第7番、第8番:9月24日 大阪、ザ・シンフォニーホール
 第2番、第6番:3月10日 大阪、フェスティバルホール
 第9番:12月29日 大阪、フェスティバルホール
 DSD-Remastering
 SACD Hybrid
 2ch HQ (CD STEREO/ SACD STEREO)

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ベートーヴェン 交響曲全集 4回目 朝比奈隆 新日本フィル 

朝比奈さん4回めのベートーヴェン交響曲全集は、新日本フィルによるものです。

ベートーヴェン 交響曲全集 新日本フィル

この全集は、オーケストラが違うだけに、ちょっとイメージが違います。

また、映像と演奏のみの両方で出ているのも特徴です。また、SACDにもなっていますし、入手も容易です。

大阪フィルより、音の透明度が高いこと、表現が楷書的というか、生真面目というか、その反面大フィルにあるような自由さがちょっと不足するというか、言ってみれば、客演という色合いがどうしてもあること、などオーケストラが違いを感じさせるのですが、それでもやはり朝比奈さんの音になっています。

すべてサントリーホールでのライブ録音

ベートーヴェン:交響曲全集
交響曲第1番ハ長調 Op.21
 [録音:1989年2月5日]

交響曲第2番ニ長調 Op.36
 [録音:1989年3月11日]

交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
 [録音:1989年2月5日]

交響曲第4番変ロ長調 Op.60
 [録音:1989年4月6日]

交響曲第5番ハ短調 Op.67
 [録音:1989年5月15日]

交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
 [録音:1989年4月6日]

交響曲第7番イ長調 Op.92
 [録音:1989年3月11日]

交響曲第8番ヘ長調 Op.93
 [録音:1989年5月15日]

交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱付き』
 [録音:1988年12月15日]

 豊田喜代美(ソプラノ)
 秋葉京子(メゾ・ソプラノ)
 林誠(テノール)
 高橋啓三(バス・バリトン)
 晋友会合唱団

 新日本フィルハーモニー交響楽団
 朝比奈隆(指揮)

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以下、フォンテックの商品コメントです。

朝比奈隆&新日本フィル~「ベートーヴェン演奏史における金字塔」!
待望!フォンテック創業20年を記念して発売されたタイトルがSACDハイブリッド仕様による再登場!
ベートーヴェン:交響曲全集レコーディングの“世界最多”を誇る朝比奈隆~7or8回。こちらの全集は、80歳を越えた“全盛時”の演奏指揮を一挙収録しており、大阪フィル以外のオケとの唯一の全集となります~1988年12月から1989年5月における、サントリーホール・ライヴ集。
最晩年に向けて、朝比奈が指揮する演奏会は全て“チケット完売”状態でしたが、その現象が明確になったのは、丁度この当該全集チクルスの頃が始まりでした。「ベートーヴェンが書いた音符を全部演奏する」という旗印のもと、全てのリピートを行い、『第3、5、7、9番』では、木管楽器、ホルンを陪管にするという巨大なベートーヴェン像~その歩みは、第3番「英雄」の演奏において約1時間を要しました。今では、聴くことの出来ない演奏スタイル~古典派音楽を好まれる人々にとっての評価は諸々ありますが、しかしながら、「これぞベートーヴェン!」と深い感銘を受ける多く支持者の存在が、“朝比奈隆の芸術”の不朽性を証明しているといえるでしょう。全編を通して、一点の揺るぎもない質実剛健な演奏は、数ある朝比奈のディスクの中でも“ベストの一つ”と言われています。

発売・販売元 提供資料 (2009/04/08)

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ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年7月 サントリーホール

ブルックナー 交響曲第8番

朝比奈さんのEXTONによる最後のブルックナーシリーズの1つ。2001年は、朝比奈隆の軌跡というシリーズでブルックナーの演奏が行われた。8番の演奏もあったし、それは録画されて朝日放送で放送された。DVDで出る話があったが、とりやめになってしまった。今回の演奏は、このシリーズとは違い、東京定期演奏会でのライブ。いつもは東京定期は休日に行っていたので行っていたのだが、この年に限って平日に行われた。だからこの東京公演は行っていない。2回やったので、相当きつかったんではないだろうか。映像でも残されている。この年は、8番の演奏頻度が高く、2月に大阪フェスでの定期演奏会、名古屋の演奏会もあった。私はこの名古屋の演奏が一番気に入っており、これも発売されている。2001年7月23、25日、東京、サントリーホール(ライヴ)

さて、発売にはなったものの、帰宅がおそくて、実際手にしたのは、4月5日の昼である。さっそく、この8番から聴いてみる。

とにかく音がいい。すかっとしていて、空間がきれいに出る。今回のSACD化は大成功で、今まで発売されたものとは、かなり音の印象が違う。

大フィルの音もとても美しい。最初の印象は、テンポがかなり速い。しかし、もう最初からブルックナーの世界にひきこまれてしまう独特の世界が始まる。表情が淡々としているが、絶妙の味わいがある。ことに、この最後のブルックナーシリーズは、朝比奈さんのこのころの特徴というか、クレンペラーを意識し、かなりテンポの速くなったというのがよくあらわれている。表面上非常にすっきりとした淡々という印象なのである。だけど、うすいという感じがしなくて、内面からしみこんでいくという、実に感動的な音楽なのである。静かに浸っていたい。それと、微妙にテンポが動く。即興的なスタイルもちょっとある。そういういもしろさもたくさんある。私は、名古屋の演奏がすきだが、今回、このサントリーをまた聴いてあらためてすごいと思った。

たぶん、この印象、この新しいHQ-SACDというメディアも相当寄与していると思う。自然な残響が、表面のミスもうまく隠すような感じもする。

ちょっとテクニカルな話を。

第2楽章のトリオの最終のフルートが4回同じ旋律をくりかすところで、これの最初発売された盤は1小節欠落していたが、その後直したものが発売された。私の友人はすぐにその事実をEXTONに連絡したが、最初はそんなはずはないとの反応だったが、すぐにHPで案内が出て、直接メーカーが1枚目のみ交換をした。レコード店ルートでは受け付けなかった。編集ミスだったようだ。私は交換してもらった。説明と粗品が入っていた。しかし、1枚目の違うCDも持っていてもよかった。今回の盤はちゃんと4回歌っている。

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ブルックナー 交響曲第5番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年 シンフォニーホール

ブルックナー 交響曲第5番

朝比奈隆の軌跡シリーズの1つで、SACD化されての再発売。この演奏会も実際にきいている。このシリーズは、シリーズ券で毎回同じ席だったのだが、音響的にあんまりいい席ではなかったのが残念。2001年4月21日、大阪、ザ・シンフォニーホール(ライヴ)この時期、大阪勤務だったため、朝比奈さんの大阪でのコンサートのほとんどに行けたというのは、実にラッキーだった。このころの朝比奈さんは、まだ元気だった。この演奏会も好調で、実にすばらしいものだった。

朝比奈さんは、このブルックナーの5番をよく取り上げていたが、このザ・シンフォニーホールでは、これが唯一の演奏である。大阪では、いつもフェスティヴァルホールだった。

この演奏会のとき、私は、大阪勤務だったのだが、東京から友人が聴きに来ていた。終演後いっしょにレストランに行ったのだが、そこで、シノポリの急死を知ることになるのである。

聴いてまず思うのは、驚異的な音のよさ。SACDになって、個々の音も良くきこえるし、ものすごく自然な音響で、本当に今ここでやっているように聴こえる。EXTONのこのシリーズがこれほど音がよいのは、やはりオリジナルDSD録音であること、マスターが日本に存在するからだと思う。このソースで、ダイレクトSACD造ってほしい。

第1楽章は、かなりゆっくり目のテンポ。このころの朝比奈さんは、かなりテンポが速くなっているのだが、それはあんまり感じない。ただ、シカゴでやったものよりは早い。なかなか重量感、安定感のある表現。

第2楽章もじっくりとよくきかせてくれる。

第3楽章は、思ったよりテンポは速い。朝比奈調スケルツォで、かなり重量級。

第4楽章になると、この時期のテンポの早い、そして非常に格調の高い表現になる。オケがよく鳴っていて、すばらしい音響。音響に酔いしれてしまい、もうとっぷりと音に浸る幸せを感じる。聴いていると、どこか別世界にいるような錯覚を覚える。ふとわれにかえる、という感じ。きいていて雑念が生じない。それが、朝比奈さんのブルックナー。

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ブルックナー 交響曲第9番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年 最後のブルックナー

ブルックナー 交響曲第9番

ハイレゾ音源もあります。

ブルックナー 交響曲第9番 ハイレゾ

SACDHQでの再発、これだけは最初にSACDマルチで発売された。朝比奈さんの公式録音としては最後のもので、最後のブルックナー演奏。そして、大阪での最後の演奏。映像も出ている。

生涯最後の演奏は名古屋でのチャイコフスキーの交響曲第5番でこれは追悼文集とセットになっているが一般発売されていないが、本当に涙涙のすばらしい演奏だった。(私はCDしか聴いていないが)

2001年9月24日、大阪、ザ・シンフォニーホール(ライヴ)で、この演奏は実際に聴いている。私にとっても朝比奈さんのライブの最後の体験となる演奏会であった。席はシリーズ券で、音響的にはイマイチだったのが、今にして残念に思う。このとき、現れた朝比奈さんは、げっそりやせていて、かなり弱っている感じだった。演奏会も、ちょっとハラハラして聴いていた。

最初に出たSACDは響きが薄く、あんまりSACDとしておもしろいものではなかった。今回、あらためてSACDHQとして出たのだが、これの音の印象がずいぶん違う。ホールトーンが豊かで、響きが実に美しい。オケの響きが以前の盤よりも厚みもある。前回の盤は、EXTONのSACDの初期のもので、その後いろいろ得たノウハウを生かしたのだろう。

この演奏時点では、朝比奈さんの相当指揮の技術もおとろえていて、アンサンブルの乱れもけっこうある。とくに衰えは最初のところに目立ち、アンサンブルの乱れもかなりある。また、大きくフレーズが変わるところも、かなり乱れている。実際みていて、棒もよくわからなかった。しかし、そういうところ、前の盤より気にならない。

第2楽章になってからは、アンサンブルもよくなる。テンポが一定しているので、オケがペースをつかみやすかったのだろう。

第3楽章になると、だいぶ乗ってきて、テンポもそんなに遅くなく、とても充実した響きを聴くことができる。終わり方が、とても美しい。

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ブルックナー 交響曲第7番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年

ブルックナー 交響曲第7番

朝比奈さんの最後のブルックナーシリーズ。ハイブリッドによる再発売。生誕100周年ということで、あらためて発売されたもの。SACDであるが、HQでステレオだけ。やはりマルチがほしいと思っていたのだが、この音を聴くと納得してしまう。すばらしく美しい響きである。

朝比奈隆の奇跡のシリーズではなくて、フェスティヴァルホールにおける定期演奏会。これも実際に聴いている。録音は、シンフォニーホールのと比べると、最初はデッドに聴こえるが、すぐに慣れる。

朝比奈さんは、7番を何度も演奏しているし、録音も多い。なんといっても聖フロリアン教会での演奏がすばらしいが、この演奏最晩年のものだが、テンポがはやい。ひびきとしては、ほかの録音とくらべると聖フロリアンのものに一番近いかもしれない。オケの実力は、やはりこの30年で相当向上している。何よりも音の純度が非常に高く、すっきりした表現だが、じっくりとした味わいがあり、実に感動的な演奏。こんな演奏だったかなあ、と今ちょっと意外な感じがしている。

朝比奈さんが、最後に到達した、空前絶後の至福の世界である。この年の終わりに亡くなってしまうのだが、このころは、まだ元気だったような気がする。

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ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 2000年

ブルックナー 交響曲第4番

ハイレゾ音源もあります。

ブルックナー 交響曲第4番 ハイレゾ

朝比奈さんの最後のブルックナー演奏のシリーズ。これをハイブリッドで再発したもの。ただし、ハイクオリティSACDということで、ステレオオンリーである。このシリーズは、第9だけは、最初からSACDで発売されたが、これもHQで出た、
2000年11月27日、ザ・シンフォニーホールでのライブ録音。非常にすばらしい音響空間を再現している。実にのびのびとした音である。やはりステレオに特化したことで、フォーマットの余裕があるのだろう。

これは実際に聴いた演奏。この演奏会は、マネージメントがいつものところでなかったこともあって、めずらしく空席が目立った。最晩年の朝比奈さんのブルックナーといえば、あっという間に売り切れたから、非常にめずらしいことだった。

今、あらためてきいてみる。とてもテンポが速く、比較的さらっとした表現である。最晩年の朝比奈さんは、とくに新日本フィルとブラームスチクルスをやったときにクレンペラーを参考にしたそうだ。昔よりぐっとテンポが速い。

このブルックナーも非常にあっさりとやっている感じもするが、録音もすばらしく、実に至福の音響空間に浸ることができる。NHK交響楽団のものより、さらにすっきりした表現である。しかし、軽いというのではなくて、不思議な快適さの中に、圧倒的な満足感がある演奏。

当時、この年齢になって、またあらたな表現に挑戦、というイメージを抱いたものだが、今改めてきくと、これが到達点なのだ、と感慨深い。NHK交響楽団の名演から1ヶ月たっていない。さすが大阪フィルとの結びつきが、ほかでは絶対きけない響きを出している。

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