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朝比奈現象とコマーシャリズム
前回、朝比奈現象ということを書いたのですが、
その後、非常に示唆に富むコメントをいただきましたので、もう少し。
晩年の朝比奈さんのレコーディング、ちょっと多すぎますね。
要するに、全部録音したんです。
それも、ほとんど全部発売したんです。
おもしろいのは、最後のベートーヴェン交響曲全集ですが、2回別の会場で演奏したのを、セットで2枚組みで出していました。そのうえ、これにはDVDもあります。
ベートーヴェンの交響曲全集が7組、ブルックナーの交響曲全集が3組、ブルックナーは、選集ならもっとありますね。
私なんか、まんまとそれにはまりまして、全部買いました。それも再発されたのも、どれだけ音がよくなっているかな、と全部買いました。
要するに、私のような人間がたくさんいるんです。
つまり、売れるわけです。
冷静に考えれば、そんなにたくさんCDあってもしょうがないでしょう。
しかし、朝比奈さんというのは、その生き様が商品になっていた。だから、同時進行的に出るCDに商品価値があるのです。
クラシックマーケットで、これだけ売った人、そういないですね。ただ、基本的に日本だけです。
アメリカにファンはいました。それで、アメリカからわざわざ聴きにきた、という人知っています。
東京都交響楽団の最後の第8、私は、幸い2回ともズッヘカルテまでしていったのですが、そもそも友人が、アメリカの友人が聴きに来る、というので、ついていったのです。
そのアメリカ人を、公演前に、いまは泣き池袋のHMVにつれていきました。そうしたら、彼は目をかがやかして、「もし私が日本にいたら、あっというまに破産してしまうだろう」と狂喜しておりましたなんでも、彼が10年以上さがしていたCD,かなりここでみつかったようです。
日本は、クラシックのCD、そんなにたくさん売れるわけではないのですが、朝比奈さんの分は、つくったら、かならず売れるのです。それだけ、強烈な消費者の味方がいるんです。
これにのらないテはないですよね。
で、いろんな会社が、いろんなCDを出しています。
朝比奈ファンにとっては、うれしい限りです。