ワーグナー 楽劇 ニュルンベルクのマイスタージンガー 第一幕への前奏曲 朝比奈隆指揮 シカゴ交響楽団 1996

Richard Wagner (1813-1883)
DIE MEISTERSINGER VON NÜRNBERG
Prelude to Act I
Chicago Symphony Orchestra
TAKASHI ASAHINA, cond.
Recording: Orchestra Hall, Chicago, 24 October 1996

シカゴ交響楽団定期演奏会で、ブルックナーの交響曲第9番の前に演奏されたワーグナー。
ものすごくスローテンポで、重い演奏。
シカゴ交響楽団だけあって、オケのマッシブな音はすごいものがあります。

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ブルックナー 交響曲第9番ニ短調 朝比奈隆指揮 シカゴ交響楽団 1996

Anton Bruckner (1824-1896)
SYMPHONY NO. 9 in D minor (WAB 109)
Chicago Symphony Orchestra
TAKASHI ASAHINA, cond.
Recording: Orchestra Hall, Chicago, 24 October 1996

I. Feierlich, misterioso (0:00)
II. Scherzo. Bewegt, lebhaft – Trio. Schnell (30:00)
III. Adagio. Langsam, feierlich (42:41)

YouTubeで発見。

朝比奈さんが、シカゴ交響楽団の定期演奏会で、ブルックナーの第5番を演奏したことは、テレビでも放映されたし、DVDも出ているから、けっこう聴かれている。
その第5番の契約をしたときに、同時に、第9番の演奏会も契約されていた。(第5番が好評で第9番が追加された、という声もあるが、定期演奏会は、1年分決まるので、そうではない。)

この第9番は、日本では正規の録音が出ていない。CD-Rでは発売されていたが、あまり表にでていない。
シカゴ交響楽団の定期演奏会の模様は、初日のライブをFMで放送しているから、当然ソースはあるはずである。
第5番は、NHKのリミッターだらけの録音が出ているが、定期のもあるだろう。

この第9番の演奏は、朝比奈さんのおっかけをやっていた友人が聴きにいっている。たしか3回演奏されていて、最後のものは本当にすごかったらしい。第5番も初日の録音しかないが、あとになるほどすごかった、とその友人は言っていた。

さて、その第9番、YouTubeにアップされていたので、ようやく聴くことができるようになった。

日本のオケのものより、さすがに威力のある音だが、ゆったりしたテンポで悠然とすすむ。第1楽章はけっこうテンポが動く。

第1楽章、けっこう重たい足取りではじまるが、やはりオーケストラの威力がすごい。とくに、金管の音量と音程の確かさあすごいが、ショルティなんとかと比べると、刺すような音にはなっていない。けっこうアッチェルランドも用い、改訂版を意識しているようなところもある。日本のオケの演奏とくらべて非常に重量級。

第2楽章。ものすごく音がずしりと重たい感じがするが、シカゴ響の威力がすごい。トリオの中間部は、いくぶんあっさり。

第3楽章。非常にゆったりした音楽。流れはさほどよくないが、非常に丁寧で、悠然とした音楽。日本のオケのときより、テンポが自由に動く。

たしかに、オケの威力はあるが、やはり朝比奈さんのブルックナーになっている。

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ブルックナー 交響曲第5番 朝比奈隆 シカゴ交響楽団 1996年 音源追加あり

朝比奈 シカゴ

朝比奈さんがシカゴ交響楽団を指揮した演奏。当時テレビで放映されたものがDVDで発売された。10年たってようやくである。DVDの画は非常にきれいだが、音は通常のドキュメンタリー用の技術でとったという感じで、リミッターがかかっており、音だけでは興ざめしてしまう。NHKはもうちょっと神経を使うべきだった。むかしとったヴィデオしかなかったが、ようやくオーソライズソースが出た。

アメリカでは、BIG5をはじめ、著名オーケストラの定期演奏会の模様はFMで流されている。だから、この演奏もFM用の録音が残されているはずだ。9番もそう。しかし、初日のみ。むしろ、こういう音だけのソースが出てきてほしい、と思う。

この演奏、大フィルをはじめ日本での朝比奈さんの演奏とはちょっと違う。基本線は変わらないのだが、1つ1つのパートの演奏が、ものすごく丁寧なのである。音のディナミークもすごく綿密にひかれているし、木管のソロの表情の豊かなこと。弦楽はとてもきれいだし、金管の迫力はやはりすごい。シカゴでやっても、朝比奈節が聴けるのがおもしろい。

(最後のところは、日本では倍管にするが、シカゴは十分音が出せるということで、それをやっていない。できるのであればその方がいいに決まっている。管楽器の温まり方の違うのが、途中で大音量を出すと、きれいに響かない。だから、最後のコーダのところに入る前から徐々に音をならしていくのだが)

この演奏は1回目のものだから、けっこう団員に戸惑いの表情もみえる。テンポは非常におそく、ついていくのが大変。なれてくれば問題ないと思うが。だから、だんだん乗ってきているという感じである。最後の日なんか、よかったのではないかと思う。

このシカゴのホール、1回だけ行ったことがあるが、1階部分がやけにせまくて、2階がずり上がるかたちになっている。きいたのは1階の前だったので、響きはよくわからない。シカゴ交響楽団の音は、耳につきささるというような音である。この演奏、実際生できいていないが、どんな音だったんだろう。

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この演奏会がきまったこを知ったのは、ちょうどサントリーホールでの朝比奈さんのコンサートの帰り、音楽評論家の金子建志さんから聞いたのである。金子さんは、私が学生時代、FMで美声の楽曲分析をきいていてどんな人だろうと思っていたのだが、その後個人的に親しくなるとは思わなかった。

さて、シカゴ交響楽団のフォーゲル氏が、朝比奈さんが指揮した、寄せ集めのオケによるアルプス交響曲の演奏を聴いたことで、このプロジェクトが実現に動いたのである。ただ、あのアルプスのときは、朝比奈さんは体調が悪く、その後、ブルックナーを聴くに及んで、シカゴへの客演をきめたらしい。

そして、ブルックナーの交響曲をやることになったのだが、最初は第8番という考えであったらしい。しかし、そのシーズンは、常任指揮者であるダニエル・バレンボイムがこの曲をプログラムののせていたので、第5になった、ということだった。そして、第9もセットで契約したそうである。

朝比奈さんとしては、第8より、たぶん第5の方が相性がいいというか、おもしろい演奏ができそうなので、これは、なかなかいい話なのである。

ダニエル・バレンボイムは、朝比奈さんがシカゴの客演できまったときに、朝比奈さんの録音を聴いて、誰に近いかといえば、クナッパーツブッシュと言ったそうである。なるほど、と思わせる。

演奏です。

NHKの特番です。

音のみのソース

これは、16日の演奏ということなので、DVDと同じ日だがちょっと印象が異なるので、違う日かもしれない。、リミッターがかかっていないので、なかなかダイナミック。
たぶんFMの音源

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