ベートーヴェン 交響曲第9番 朝比奈隆 大阪フィル 1985

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ベートーヴェン 交響曲第9番 朝比奈隆 大阪フィル

大倉由紀枝、藤川賀代子、林誠、木村俊光
大阪フィルハーモニー合唱団

1985年6月30日 ザ・シンフォニーホール

16:40/14:10/15:46/23:49

朝比奈さんとしては、演奏回数が非常に多い曲であるが、ザ・シンフォニーホールでの演奏は珍しい。
従来の演奏よりさらに正攻法であるが、ほかの曲よりもこなれて柔軟な感じを受ける。

第1楽章、じっくりと取り組んだ、構成力のしっかりした演奏。朝比奈さんの第9としては、テンポはさほど遅くない。拡張高いすばらしい演奏。

第2楽章、テンポははやくはないが、推進力があり、重量感も十分。ほかの8曲と同じく生真面目でありながら、流れがよい。

第3楽章、テンポは意外に遅くない、というか、遅く感じない。テンポにもめずらしく動きがあり、優美さも感じられる。
12分37秒のところのアウフタクトの強調は、ほかの演奏ほどめだたないが、朝比奈さんの特徴のひとつ。ほかに、ワインガルトナーしかやっていない。

第4楽章、ぐっと自由度が増し、のびのびと演奏している感じをうける。スタイルとしては、フルトヴェングラーの影響を感じるが、あそこまで極端ではない。声楽がはいってからは、かなりテンポははやめになる。
マーチになるとゆったり。テノールが朗々と歌えるテンポ。二樹フーガもゆっくりして、構造がよく聴き取れる。
その後は、非常にしっかりしたテンポで力強く進む。
コーダは、フルトヴェングラーほどではないが、しっかりためて、最後思いっきり速くなる。

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