ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 1993年 アートン盤

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朝比奈 ブルックナー 交響曲第4番 アートン

キャニオンでの朝比奈さんの3度目の全集は、 1993年7月録音、3つの会場での録音を使っているという表示があり、サントリーのものがほとんで、あとは修正用の音源ということであるが、これとは別にアートン盤がある。これはサントリーホールのものの一発録り。ただ、この2つ、かなり音の印象は違う。材質が違うからであろうか、空気感は、こちらが数段上である。

個々の楽章のイメージは、全集盤と同じであるが・・・。

第1楽章、最初から全開であるが、音に勢いがあり、たくましい音楽である。ぐいぐい進む。こういう特徴は、ジャンジャン盤からあるが、それよりも洗練されている。しかし、かなりごつごつした音で、この曲のほかの演奏と比べると洗練度は低いかもしれないが、ものすごく聴き応えがある。とくにひとつひとつの音が遠慮なく力いっぱい弾かれているので、マッシブの力がすごい。

第2楽章、最初のヴァイオリンはやさいい響きだが、チェロがいきなり強い音なので、びっくりする。たての線がきっちりでていることもあった、きちりとした印象がある。ピッチカートがしっかりひかれ、流れるというような感覚があまりない。

第3楽章、かなりゆっくりはじまる。弦の土台に、管が朗々となる。かなりゆっくりでごつごつした感じがあり、多くのロマンティックの演奏とは違い、力強くゴツゴツとした印象。波のうねりも大きい。これが、最晩年になるともっと洗練されてくるのでおもしろい。トリオも、あまり流れることなく、きちんとした印象。

第4楽章、最初は、比較的軽めの音ではじまる。だんだんと音が大きくなってきてエネルギー全開モードになると、あとはぐいぐい進む。あとは、非常に充実した響きが続く。歌うとことは、かなり粘りのある表情である。基本的にゴツゴツした音作り。最後までエネルギーが途絶えず、圧倒的な迫力でおわる。

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