ジャンジャン盤の第6番。
朝比奈さんとして、最初の第6番の録音。
1977年9月1日、東京文化会館での実況録音。
ジャンジャンのレコーディングのなかでは、洗練さがまったくないというか、野暮ったい音の最右翼。
がなりたてていて、ちょっとうるさい。
後年、とくにキャニオン盤がすばらしいだけに、今聴くと野暮ったさが目立つ。
ただ、ものすごいエネルギー感というか、押し寄せるパワーは非凡なものがある。
第1楽章
後年のものより、かなりゆったりしたテンポ。かなり音の作り方は重い。オーケストラの音も、あまり美しくはなく、がなりたてている印象。ただ、勢いはある。かなり音も固い。
第2楽章
中庸のテンポ。太い。オケの音色はあまり美しいとはいえないが、流れは悪くない。思い入れはあんまり強くなく、比較的あっさりした表情。(最後のキャニオン盤のすごいのは、すらっとやっていて、デイカシーがすばらしいこと。)
第3楽章
アンサンブルの精度はいまひとつながら、演奏スタイルとしては、後年のものにちかい。堂々としたあしどりでぐいぐい進む。トリオは、動きは固いが安定はしている。中間部もかなり重い。
第4楽章
ぐいぐいと、推進力が見事。音は、後年のものと比べると、やはり野暮ったい。弦楽の動きも固い。
しかし、力強く豪快な音である。
・交響曲第6番イ長調 WAB.106(ハース版)[59:13]
チューニングと拍手:1:53
第1楽章:17:44
第2楽章:17:08
第3楽章:09:17
第4楽章:15:04
拍手:7:27
録音時期:1977年9月1日
録音場所:東京文化会館
録音方式:ステレオ(ライヴ)