ベートーヴェン 交響曲第7番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月7日セッション録音
私が最初に朝比奈さんのライブを聴いたのは、1972年6月5日である。
曲は、マーラーの千人。ほとんどその頃の録音。
学研の全集を聴き始めた。順番は適当に。最初は第7番。
後年のものとちがって、まさに楷書の音楽。
かどばっていて、固い固い。生真面目そのもの。
楽器の音色なんか、単調。
音もかなり野暮ったいけど、洗練されていないだけで、悪くはない。
テンポはかなり遅いが、安定している。
音にはすぐに慣れてくる。非常に誠実な演奏で、当時、そうだったかなあ、と思いつつ、感慨にふける。
第4楽章の後半は、さすがに熱い演奏になっている。
非常にゴツゴツした印象で、これ以降の演奏ではもうすこし柔軟性が出てくるが、骨格はかわっていない。
リハーサル風景がついている。リハーサルの演奏の方が力みがなくて、かえっていいくらいである。朝比奈さんの指示はくわしいところは収録されていないが、声自体がはやくて若々しい。