シューベルト 交響曲第7番 朝比奈隆 大フィル 学研 箕面 1972

シューベルト 交響曲第7番 未完成 第3楽章のオケ、スケッチつき
朝比奈隆指揮 大阪フィル

1972年1月箕面市民会館録音

未完成は、第3楽章の最初の部分がオケであとはピアノです。

朝比奈さんのシューベルトの録音はそんなに多くないので、貴重です。きわめて誠実な演奏で、ロマンティックではないですが、なかなか味わい深い演奏です。
第3楽章に入ると、わずか9小節ですが、これは未完成なんだな、とあらためて認識させ、さらにピアノのスケッチが続きます。

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ベートーヴェン 交響曲第5番 朝比奈隆 大フィル 学研 箕面1972

ベートーヴェン 交響曲第5番 

朝比奈隆指揮 大阪フィル
1972年1月箕面市民会館録音

全集の付録といえるもの。
すばらしく興の乗った演奏です。

第5番は、ホールも違うこともありますが、全集収録のものと比べ、音が硬質で芯があり、なかなかの迫力です。やはり生真面目にきちんと演奏されており、後年のような、音の多彩さはないですが、真摯な表現に心打たれます。

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ベートーヴェン 序曲レオノーレ第3番 朝比奈隆 大フィル 学研 1972

レオノーレ第3番は、フェスティヴァルホールのライブです。さすがにライブだけあって、面白いです。音の勢いが全然違います。後年のものに近いですね。
やはり朝比奈さんはライブでこそ生きますね。

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ベートーヴェン 交響曲第9番 朝比奈隆 大フィル 学研 1972

ベートーヴェン 交響曲第9番
朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
平田恭子(ソプラノ)
伊原直子(アルト)
林誠(テノール)
高橋修一(バリトン)
石川県音楽文化協会合同合唱団
アサヒコーラス
グリーンエコー
アイヴィーコーラス
大阪メンズコーラス
【録音】
1972年12月27日
大阪フェスティバルホール(ライヴ収録)

第9のみは、ライブ録音。コーラスもソロも必要なので、年末のフェスティヴァルホールの演奏が採用されている。

さて、最後は第9です。
聴き始めてビックリです。後年の演奏とそう違いはありません。
むしろ、ひとつひとつ丁寧にすべての♪がきちんと演奏され、非常に重量感のある演奏になっています。乗ってくるとテンポもはやくなり、これがすごい迫力です。

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ベートーヴェン 交響曲第8番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第8番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月10日
大阪厚生年金中ホール

ホールの音響がなかなか綺麗。
表現は、なかなか重厚で、この曲の一般的なイメージとは異なる。
後年のものはもうすこし軽快感があるが、基本同じ。変なことしないので、これはこれでスタイルとしては徹底している。
これ、しかし、めちゃくちゃ面白い。
厚みがあって、糞真面目な表現だが、なんかすごく和む。

第2楽章なんか、こんなに重いのに、テンポが意外にはやくて、そして何か非常に楽しげ。

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ベートーヴェン 交響曲第7番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第7番
朝比奈隆指揮 大阪フィル 
1973年8月7日セッション録音

私が最初に朝比奈さんのライブを聴いたのは、1972年6月5日である。
曲は、マーラーの千人。ほとんどその頃の録音。

学研の全集を聴き始めた。順番は適当に。最初は第7番。

後年のものとちがって、まさに楷書の音楽。
かどばっていて、固い固い。生真面目そのもの。
楽器の音色なんか、単調。
音もかなり野暮ったいけど、洗練されていないだけで、悪くはない。
テンポはかなり遅いが、安定している。
音にはすぐに慣れてくる。非常に誠実な演奏で、当時、そうだったかなあ、と思いつつ、感慨にふける。
第4楽章の後半は、さすがに熱い演奏になっている。

非常にゴツゴツした印象で、これ以降の演奏ではもうすこし柔軟性が出てくるが、骨格はかわっていない。

リハーサル風景がついている。リハーサルの演奏の方が力みがなくて、かえっていいくらいである。朝比奈さんの指示はくわしいところは収録されていないが、声自体がはやくて若々しい。

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ベートーヴェン 交響曲第6番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第6番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月7日
大阪厚生年金会館中ホール

響きが綺麗。
第7番とは同じ日なのに。

厚ぼったくて、洗練さがないというか、ドロっとしていて、あんまり田園交響曲というイメージはない。
しかし、オーケストラは十分鳴っていて、音楽としては、非常に充実感がある。

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ベートーヴェン 交響曲第5番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第5番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年7月18日,8月7日
大阪厚生年金会館中ホール

同じホールなのに第7番とはまったく違う響き。
豊かな響きがあるので、あまりゴツゴツとした印象がない。

じゃじゃじゃじゃーんが、非常に豊かで分厚い。
そのあとのテンポはゆっくりだが、表現におおらかさがある。

第2楽章は、意外にはやい。音に厚みがあり、なかなかおおらかな音楽のつくり。

第3楽章から、なかなか充実した響きを見せる。

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ベートーヴェン 交響曲第4番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第4番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月8日,9日,10日
大阪厚生年金中ホール

驚くべき名演である。

響きもよく、表現も後年のものとほとんど同じで、非常に完成度が高い。
軽快さとは無縁で、非常に正攻法の迫力のある表現。
後年のものより、テンポもおそく、いくぶんガチガチしている分、骨太さを感じる。新しいものより、表現が徹底しているともいえるかもしれない。
音色もなかなかいい。

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ベートーヴェン 交響曲第3番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第3番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月9日
大阪厚生年金会館中ホール

後年のベートーヴェンでは、圧倒的に名演が多いエロイカだが、やはりこの曲は、朝比奈さんの体質にあっているというか、この最初の全集でもなかなかいい演奏である。やはり野暮ったさは残るが、すごい推進力だし、なかなか充実した響きである。
後年のものと比べると、非常にオーソドックスで、何もしていない感覚があるが、それでいて、この曲の本質もしっかり表現できている。しかし、ビクターの名演も1977年だから、あんまり時間がはなれていないのだなあ、といまさら思う。フロリアンだって、1975年だ。
後年のものとの違いは、時期よりもセッションかライブかの違いかな、とも思える。ライブでの凄さはやはりない。それと、音色がちょっと単色系というか、最晩年のものは、もっと音色が多いという感じ。77年のものより、ある意味表現に一貫性があって、これはこれで非常に立派な演奏。

大フィルの音色は、やはりまだ野暮ったさはある。
大フィルの音色が急に純度を増すのは、1975年からである。
あのヨーロッパの演奏旅行の前に、ものすごく鍛えられたのである。その証は、旧大フィル練習所の譜面台で見ることが出来た。譜面台に電子オルガンがついていて、これで、ピッチをあわせる練習をしていた。だから、ヨーロッパ出発前のフェスティバルホールでのブルックナーの第7の音がそれまでと全然違っていたことを思い出す。それがあのフローリアンの演奏につながることになる。

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