ブルックナー 交響曲第7番 朝比奈隆 大阪フィル 1999 サントリーライブ

ブルックナー 交響曲第7番 ハース版

朝比奈隆指揮 大阪フィル 1999.11.5 サントリーホール ライヴ

DVD映像作品 EXTON OVBC-00001

朝比奈  ブルックナー 7 DVD

映像作品である。朝比奈さんの映像は、意外に出ていない。最後の大フィルのシリーズは、朝日放送がとっていて、発売が予告されていたが、出たのは最後の9番だけである。

この演奏は、1999年11月に東京で行われているが、サントリーの佐治敬三氏の告別式の当日だった。大フィルは、毎年7月に東京定期演奏会を行っていたが、これは、東京で多くの演奏を、と特別に企画されたものである。

ハイビジョン映像で、ゆったりとしたアングルでなかなか見ごたえのある映像である。朝比奈さんもまだ元気なころである。
同時期に、大阪で朝比奈隆の軌跡シリーズで、この曲もあとあげられている。

演奏は、それまでとはかなり違い、クレンペラーを意識して、テンポがはやくすっきりした演奏になっている。すっきりという点では、大阪フェスの最後の定期塩演奏会の方が顕著であるが。

テンポがはやく、ぐいぐいすすんでいくのが特徴で、尻上がりによくなってくる。ややアインザッツに乱れが見られ、アンサンブルも少々雑な面もあるが、テンポがはやいのに、個々の表情が濃いのも特徴。スタイルは筋肉質で、数多いこの演奏記録のなかでも特徴的でる。

古い大フィルファンにとっては、ティンパニの八田さん、ホルンの近藤さんの顔がみえるので、非常になつかしい思いがする。八田さんは久しぶりの登場だったようだ。

 

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ベートーヴェン 交響曲全集 4回目 朝比奈隆 新日本フィル 

朝比奈さん4回めのベートーヴェン交響曲全集は、新日本フィルによるものです。

ベートーヴェン 交響曲全集 新日本フィル

この全集は、オーケストラが違うだけに、ちょっとイメージが違います。

また、映像と演奏のみの両方で出ているのも特徴です。また、SACDにもなっていますし、入手も容易です。

大阪フィルより、音の透明度が高いこと、表現が楷書的というか、生真面目というか、その反面大フィルにあるような自由さがちょっと不足するというか、言ってみれば、客演という色合いがどうしてもあること、などオーケストラが違いを感じさせるのですが、それでもやはり朝比奈さんの音になっています。

すべてサントリーホールでのライブ録音

ベートーヴェン:交響曲全集
交響曲第1番ハ長調 Op.21
 [録音:1989年2月5日]

交響曲第2番ニ長調 Op.36
 [録音:1989年3月11日]

交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
 [録音:1989年2月5日]

交響曲第4番変ロ長調 Op.60
 [録音:1989年4月6日]

交響曲第5番ハ短調 Op.67
 [録音:1989年5月15日]

交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
 [録音:1989年4月6日]

交響曲第7番イ長調 Op.92
 [録音:1989年3月11日]

交響曲第8番ヘ長調 Op.93
 [録音:1989年5月15日]

交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱付き』
 [録音:1988年12月15日]

 豊田喜代美(ソプラノ)
 秋葉京子(メゾ・ソプラノ)
 林誠(テノール)
 高橋啓三(バス・バリトン)
 晋友会合唱団

 新日本フィルハーモニー交響楽団
 朝比奈隆(指揮)

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以下、フォンテックの商品コメントです。

朝比奈隆&新日本フィル~「ベートーヴェン演奏史における金字塔」!
待望!フォンテック創業20年を記念して発売されたタイトルがSACDハイブリッド仕様による再登場!
ベートーヴェン:交響曲全集レコーディングの“世界最多”を誇る朝比奈隆~7or8回。こちらの全集は、80歳を越えた“全盛時”の演奏指揮を一挙収録しており、大阪フィル以外のオケとの唯一の全集となります~1988年12月から1989年5月における、サントリーホール・ライヴ集。
最晩年に向けて、朝比奈が指揮する演奏会は全て“チケット完売”状態でしたが、その現象が明確になったのは、丁度この当該全集チクルスの頃が始まりでした。「ベートーヴェンが書いた音符を全部演奏する」という旗印のもと、全てのリピートを行い、『第3、5、7、9番』では、木管楽器、ホルンを陪管にするという巨大なベートーヴェン像~その歩みは、第3番「英雄」の演奏において約1時間を要しました。今では、聴くことの出来ない演奏スタイル~古典派音楽を好まれる人々にとっての評価は諸々ありますが、しかしながら、「これぞベートーヴェン!」と深い感銘を受ける多く支持者の存在が、“朝比奈隆の芸術”の不朽性を証明しているといえるでしょう。全編を通して、一点の揺るぎもない質実剛健な演奏は、数ある朝比奈のディスクの中でも“ベストの一つ”と言われています。

発売・販売元 提供資料 (2009/04/08)

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ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 大阪フィル 1994年 キャニオン SACD

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朝比奈 ブルックナー 交響曲第8番

朝比奈さんの生誕100年を記念して、再発の企画がたくさんある。まずこのキャニオンのブルックナーとベートーヴェンのSACD、続いてエクストンのブルックナーのSACD。そのほか、CDのハイパーマスタリング盤で、キングのものがたくさん。

というわけで、まずキャニオンのブルックナーを1つ買ってみた。8番である。1994年、サントリーホールでの空前絶後といわれた演奏で、この演奏会は、生できいている。たしかにすごかったという記憶がある。

最初、レギュラーのCDで出て、それから廉価盤でHDCDで出て、今度は、フルプライスでのハイブリッドSACDである。同じ演奏を、ことなるフォーマットできくことができる。4番は、さらにアートン盤があった。

朝比奈さんのブル8は、この盤を取り出して聴くことは意外と少ない。まず、名古屋の演奏、それから、東京の最後の演奏となったエクストン盤、それとN響のものが多いだろうか。 しかし、今回久しぶりに聴いてみて、それはそれはすばらしい演奏だと認識をあらたにした。

音は、やはりSACDで、非常にレンジが広く、空間再現力はすばらしい。それよりも、ものすごいエネルギー感だ。こんなに、ど迫力のある演奏だったか、とあらためて思う。最晩年のものと比べると、ものすごく力強い。

楽譜は、ハース版である。朝比奈さんは、最初は、ノヴァーク版であったが、名古屋大学に客演したときに、ハース版を知り、それからハース一辺倒である。

朝比奈さんにとって、この第8番は、ブルックナーの交響曲のなかでも、演奏頻度が非常に多く、それだけ血となり肉となっているから、その共感度がなみはずれている。それだけでなく大阪フィルも数多くこなしているから、技術的にも洗練度が高い。
かなりたくさんのCDがでていて、どれも非常に完成度が高い。最初のジャンジャンのものから、最後のサントリーのものまで、どれもすごい演奏である。このCDは、1990年代の最高の演奏の記録である。

さて、朝比奈さんが登場して拍手で迎えるところから始まる。

第1楽章。最初からいきなり完成度の高い音ではじまる。とても洗練された響きだけでなく、ものすごく豊かで歌こころがある。何とすばらしい音楽だ。ほかの演奏では、けっこうゴツゴツした演奏になるが、さすがにこの曲はよくとりあげているからか、洗練度が違う。音も見通しがよい。勢いが違う。流れもある。実にすごい演奏だ。

第2楽章。まず勢いがある。けっこうゴツゴツしているが、ぐいぐい進む。洗練度も高い。チェロも旋律は流れるようには弾かない。そういうボーイングをしている。トリオは、きちりとしているが、ヴァイオリンの歌がすばらしい。

第3楽章、ブルックナーのもっとも感動的な音楽だと思う。かなり大きめの音でしっかりと弾きながらはじまる。太い、そしてなめらかではないが、非常に心のこもった熱いものを感じる。もう涙涙の連続である。とくに、5分41秒からはじまるチェロの旋律で、至福のときを迎える。そして、つづき、この圧倒的な音響のなかで、しばしわれを忘れる。

第4楽章、エネルギー全開ではじまる。足取りがしっかりした、堂々とした音楽。マッシブな力と、心のこもったあたたかい音楽が交差する。この演奏会、私は実際に聴いているが、ここになると、いつまでも終わってほしくない、という思いが募った。この幸福感に永遠にひたっていたい、と思ったものである。

最後、圧倒的な迫力をもっておわるが、拍手がちょっと間をあいて出てきている。拍手が何と13分も録音されている。聖フロリアン盤につづく悪乗りのようにも思えるが、私はこれを実体験しているので、懐かしささえ覚える。

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ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 1993年 キャニオンSACD

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朝比奈 ブルックナー 交響曲第4番

キャニオンでの朝比奈さんの3度目の全集をDSDマスタリングしてSACD化したもの。最初単発で、それから全集、それから廉価盤でHDCDになり、今回が4回目の発売。朝比奈さんの生誕100周年にあわせた再発で、音は格段によくなった。

1993年7月録音、3つの会場(大阪フィルハーモニー、大宮ソニックホール、サントリーホール)での録音を使っているという表示があるが、サントリーのものがほとんで、あとは修正用の音源ということである。

これとは別に同じ演奏のアートン盤があるが、これはサントリーホールのものの一発録り。ただ、この2つ、かなり音の印象は違う。材質が違うからであろうか、空気感は、これのCD層よりアートン盤が数段上である。

第1楽章、最初から全開であるが、音に勢いがあり、たくましい音楽である。ぐいぐい進む。こういう特徴は、ジャンジャン盤からあるが、それよりも洗練されている。しかし、かなりごつごつした音で、この曲のほかの演奏と比べると洗練度は低いかもしれないが、ものすごく聴き応えがある。とくにひとつひとつの音が遠慮なく力いっぱい弾かれているので、マッシブの力がすごい。

第2楽章、最初のヴァイオリンはやさいい響きだが、チェロがいきなり強い音なので、びっくりする。たての線がきっちりでていることもあった、きちりとした印象がある。ピッチカートがしっかりひかれ、流れるというような感覚があまりない。

第3楽章、かなりゆっくりはじまる。弦の土台に、管が朗々となる。かなりゆっくりでごつごつした感じがあり、多くのロマンティックの演奏とは違い、力強くゴツゴツとした印象。波のうねりも大きい。これが、最晩年になるともっと洗練されてくるのでおもしろい。トリオも、あまり流れることなく、きちんとした印象。

第4楽章、最初は、比較的軽めの音ではじまる。だんだんと音が大きくなってきてエネルギー全開モードになると、あとはぐいぐい進む。あとは、非常に充実した響きが続く。歌うとことは、かなり粘りのある表情である。基本的にゴツゴツした音作り。最後までエネルギーが途絶えず、圧倒的な迫力でおわる。

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ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 1993年 アートン盤

朝比奈 ブルックナー 交響曲第4番 アートン

キャニオンでの朝比奈さんの3度目の全集は、 1993年7月録音、3つの会場での録音を使っているという表示があり、サントリーのものがほとんで、あとは修正用の音源ということであるが、これとは別にアートン盤がある。これはサントリーホールのものの一発録り。ただ、この2つ、かなり音の印象は違う。材質が違うからであろうか、空気感は、こちらが数段上である。

個々の楽章のイメージは、全集盤と同じであるが・・・。

第1楽章、最初から全開であるが、音に勢いがあり、たくましい音楽である。ぐいぐい進む。こういう特徴は、ジャンジャン盤からあるが、それよりも洗練されている。しかし、かなりごつごつした音で、この曲のほかの演奏と比べると洗練度は低いかもしれないが、ものすごく聴き応えがある。とくにひとつひとつの音が遠慮なく力いっぱい弾かれているので、マッシブの力がすごい。

第2楽章、最初のヴァイオリンはやさいい響きだが、チェロがいきなり強い音なので、びっくりする。たての線がきっちりでていることもあった、きちりとした印象がある。ピッチカートがしっかりひかれ、流れるというような感覚があまりない。

第3楽章、かなりゆっくりはじまる。弦の土台に、管が朗々となる。かなりゆっくりでごつごつした感じがあり、多くのロマンティックの演奏とは違い、力強くゴツゴツとした印象。波のうねりも大きい。これが、最晩年になるともっと洗練されてくるのでおもしろい。トリオも、あまり流れることなく、きちんとした印象。

第4楽章、最初は、比較的軽めの音ではじまる。だんだんと音が大きくなってきてエネルギー全開モードになると、あとはぐいぐい進む。あとは、非常に充実した響きが続く。歌うとことは、かなり粘りのある表情である。基本的にゴツゴツした音作り。最後までエネルギーが途絶えず、圧倒的な迫力でおわる。

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ブラームス 交響曲第1番 朝比奈隆 東京都交響楽団 1996年

朝比奈 ブラームス 1

朝比奈隆生誕100周年記念のCD発売は、再発ものがほとんどだが、これは、純然たる新譜。

1996年4月6日、サントリーホールでのライブ。
この時期、在京のオケでチクルスをやっていた。4つの交響曲と4つの今チェルト。

これは生は聞いていないはず。
後年、クレンペラーをヒントにして、テンポの速い演奏になって、みんなを驚かせたが、これは、正反対に超重量級の演奏である。
ド迫力に圧倒される。

テンポが遅い上に、ひとつひとつの音が、やたら丁寧に弾かれており、それが、圧倒的な音の塊になって迫ってくる。最晩年のような、全然スカッとしているところがなく、野暮ったいのだけれど、この時期の朝比奈さんの音楽の魅力ですね。

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ブルックナー 交響曲第5番 朝比奈隆 新日本フィル 1992年 DSDリマスター

朝比奈 ブルックナー 交響曲第5番

朝比奈さんの生誕100周年記念シリーズの1つ。新日本フィルのFONTEC盤。DSDリマスタリングというのがウリ。これは、昨日立川の山野楽器で購入。このリマスタリングがいい結果をもたらしているというので、さっそくきいてみる。このシリーズは、全体的に録音の評判がよくないが、そのの中で一番録音が悪いとされていた、ブルックナーの5番からききはじめる。

1992年9月2日、サントリーホールでのライブ。この演奏会は、実際にきいている。新日本フィルが朝比奈ブルックナーのシリーズを行い、5,7,8を取り上げた。これ以外に4番は定期演奏会で取り上げている。私は、このうち、シリーズの3曲をきいている。あとは、だいぶあとに行われた3番。新日本フィルのブルックナーは、大阪フィルのものとくらべると、音程はしっかりしているし、正確に弾かれているが、大阪フィルとの演奏のような、親密さからくる独特の雰囲気はあんまりない。オケの音が澄んでいて明るい。

ライナーノーツが金子さんとの対談になっていて、譜例もたくさんあり、むちゃくちゃおもしろい。以前読んだことのある文章なのだが、読み入ってしまう。

さて、CDの音だが、たしかに以前のものよりはっきりくっきりしているし、第一音が悪いなんてとても思えないいい音である。DSDマスタリングの成果なのだろうか。CD製作の技術の進歩もすばらしく、デジタルメディアにしては25年も持つなんておどろくほど長生きである。このCD,もともと演奏はすごいが録音は駄目というものだったが、これで録音がよくなってしまったのだから、もう決定的な名盤の誕生といっていい。技術の進歩がもたらした名演の誕生である。

ゆったりしたテンポで、非常に幅の広いというか、スケールの大きな演奏で、最晩年のものとは違う力強さを感じさせる演奏。非常に風格がある。一気にきかせてしまう大きな流れがある。

全体的に、弦楽器が非常に力をいれたボーイングをとり、かなり音を長く保つ奏法をしている。それが、いつもより顕著な気がする。

ものすごい重量感があり、それがとくにフィナーレになってすごさが増す。金管楽器のパワーもすごいものがある。あとになるほど凄みが出る。倍管になったあとのコーダのすさまじさは、鳥肌がたち、涙がボロボロこぼれる壮絶なる音の饗宴である。

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ブルックナー 交響曲第7番 朝比奈隆 新日本フィル 1992年 DSDリマスター

朝比奈 ブルックナー 交響曲第7番

朝比奈~新日本フィルのブルックナーのDSDリマスターの2枚目。第7番。これは実際に聴いている演奏。新日本フィルのチクルスで、5,7,8の三曲が取り上げられたもの。
1992年9月8日、サントリーホールでのライブ。この演奏は、実際にきいている。

やはり、大フィルとは、音色がだいぶ違い、透明度が高いのと、ちょっと粘りがあるような印象がある。

音が思った以上に太く、雄大な音楽が奏でられる。第1楽章もゆったりと太く、表現意欲が非常に強い。楽器のバランスも大フィルのとは、ちょっと違う感じがする。

第2楽章も、とても雄大。弦楽の分厚さが目立つ。録音の影響もあるだろうが、ものすごいエネルギー感。微妙ではあるが、けっこうテンポが動く。高揚感がすごい。

第3楽章は、やはり朝比奈調重量級スケルツォだが、中間部なんか良く流れるし、かなり盛り上がる。表現意欲満々。

第4楽章。比較的軽くなりやすいこの楽章も非常に立派な表現。音がなりきっている。オケも非常に乗っている。

この新日本フィルの第7番は、朝比奈さんのほかの7番と比べると、かなり線が太くて、雄大さがあり、表現意欲があるということでは、最右翼だと思う。

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ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 新日本フィル 1993年 DSDリマスター

朝比奈 ブルックナー 交響曲第8番

新日本フィルとのブルックナーチクルスの実況録音で、これがこのチクルスでは最後の演奏会だった。サントリーホールで5,7,8とやったのだが、5,7は近接していたが、これはずっと後だった。このシリーズは、全部コンサートでナマをきいている。4番は、定期演奏会。

録音:1993年2月16日、サントリーホール(ライヴ)

DSDリマスタリングの効果は大変なもので、非常にダイレクトな音になっている。昔はちょっともやもやした感じの音だった。

この8番、新日本フィルのだけあって、大阪フィルよりも音が透明なのと、非常にきちんと弾いているという特徴がある。また、朝比奈さんの表現は、かなり勢いに乗ったもので、かなりいじくっているところがあるし、すばらしいエネルギー感がある。最晩年の演奏よりも、音が太くて力強いように思う。

しかし、今こうやってききなおすと、不思議なものだが、実際に聴いたときの印象よりも、もっと普遍的なスタイルを感じる。それだけ、スタイルに一貫性があるということなんだろう。後年、非常にテンポが速くなるのだが、この時点がおそいか、というとそうでもない。

ライナーには、金子さんとの対談が載っている。実際の演奏例をもとに話されているので、何度読んでも実におもしろい。ここに、朝比奈さんは、8番はノヴァーク版でスタートしたが、名古屋大学のオケに客演したときに、ハースでやりたい、リハーサルは無制限だったそうだが、これですっかりハース版が気に入ってしまったようだ。この名古屋大学の記念碑的な演奏も昔きいたことがあるが、また聴いてみたい。

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ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年7月 サントリーホール

ブルックナー 交響曲第8番

朝比奈さんのEXTONによる最後のブルックナーシリーズの1つ。2001年は、朝比奈隆の軌跡というシリーズでブルックナーの演奏が行われた。8番の演奏もあったし、それは録画されて朝日放送で放送された。DVDで出る話があったが、とりやめになってしまった。今回の演奏は、このシリーズとは違い、東京定期演奏会でのライブ。いつもは東京定期は休日に行っていたので行っていたのだが、この年に限って平日に行われた。だからこの東京公演は行っていない。2回やったので、相当きつかったんではないだろうか。映像でも残されている。この年は、8番の演奏頻度が高く、2月に大阪フェスでの定期演奏会、名古屋の演奏会もあった。私はこの名古屋の演奏が一番気に入っており、これも発売されている。2001年7月23、25日、東京、サントリーホール(ライヴ)

さて、発売にはなったものの、帰宅がおそくて、実際手にしたのは、4月5日の昼である。さっそく、この8番から聴いてみる。

とにかく音がいい。すかっとしていて、空間がきれいに出る。今回のSACD化は大成功で、今まで発売されたものとは、かなり音の印象が違う。

大フィルの音もとても美しい。最初の印象は、テンポがかなり速い。しかし、もう最初からブルックナーの世界にひきこまれてしまう独特の世界が始まる。表情が淡々としているが、絶妙の味わいがある。ことに、この最後のブルックナーシリーズは、朝比奈さんのこのころの特徴というか、クレンペラーを意識し、かなりテンポの速くなったというのがよくあらわれている。表面上非常にすっきりとした淡々という印象なのである。だけど、うすいという感じがしなくて、内面からしみこんでいくという、実に感動的な音楽なのである。静かに浸っていたい。それと、微妙にテンポが動く。即興的なスタイルもちょっとある。そういういもしろさもたくさんある。私は、名古屋の演奏がすきだが、今回、このサントリーをまた聴いてあらためてすごいと思った。

たぶん、この印象、この新しいHQ-SACDというメディアも相当寄与していると思う。自然な残響が、表面のミスもうまく隠すような感じもする。

ちょっとテクニカルな話を。

第2楽章のトリオの最終のフルートが4回同じ旋律をくりかすところで、これの最初発売された盤は1小節欠落していたが、その後直したものが発売された。私の友人はすぐにその事実をEXTONに連絡したが、最初はそんなはずはないとの反応だったが、すぐにHPで案内が出て、直接メーカーが1枚目のみ交換をした。レコード店ルートでは受け付けなかった。編集ミスだったようだ。私は交換してもらった。説明と粗品が入っていた。しかし、1枚目の違うCDも持っていてもよかった。今回の盤はちゃんと4回歌っている。

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