ビクターの全集に含まれているもの。
ビクター盤は、基本的にカテドラルのライブをメインにしているが、日本フィルのあの記念碑的な演奏ではなくて、大阪フィルのライブを採用している。このビクターの全集、やはりよく演奏される4番は大阪フィルということにこだわったのだろう。
名演だったカテドラルのライブは、ながいこと手にはいらなかったが、今は、タワーレコードが出している。あの実演での興奮はわすれられない。
これは、1989年2月17日の大阪フェスティヴァルホールのライブ。
この演奏のライブはきいていない。このころの大阪での演奏会にはほとんど行っていないのである。
ジャンジャンのものよりはるかに透明感があり、すっきりした印象がある。
第1楽章
最初のホルンの音が澄んでいない。が、そのつぎの弦からは音の純度が高くなる。あのジャンジャンのような、ものすごくうきうきする名調子はないのだが、十分な推進力をもってぐいぐいとひいている。やはり中間部以降なかなか快調で、金管の音も澄んでくる。
第2楽章
おちついた足取りで、なかなか美しい演奏。ジャンジャンのときより、音質的には、向上している。
第3楽章
音に勢いがあるが、金管の音の純度が低いのが気になる。音の構成力とか、じゃんじゃん盤よりもスケールが大きくなっている。
第4楽章
最初のところの音のたての線がそろっていない。比較的合奏が雑なところが目立つ。音の勢いはあるが、どうも音が汚れてくるのが少々残念ではある。