朝比奈さんのビクター全集にフィルアップされているもの。
この演奏は、アダージョ第2番とあわせて最初LPで出た。そのとき同時にこれだけがCDで出たのだが、LPを買わなかったのは、今にして思えば痛恨事である。しかし、その後ようやくアダージョも出たので、何とかなったが・・・。
1984年大阪フェスチヴァルホールでのライブ。
録音は、ホールトーンをよくひろっていて、なかなかすばらしい。
ジャンジャン盤と比べて音の品位はずいぶんあがっている。
朝比奈さんとしても、この曲は苦手にしている。対談でも、できたらやりたくない、とまで言っている。
楽譜は、ハース版がないこともあって、いろいろやっている、これは、ノヴァークの第2稿によっている。
基本的に。ジャンジャンと比べても淡々とした演奏。
第1楽章、淡々とすすみ、どちらかというとあっさりした表現、ある意味乗り切れないところもあるかもしれない。
第2楽章、こちらも淡々としているが、音楽がよく流れ、スケールも大きい。
第3楽章、スケルツォ。刻みがしっかりしていて、比較的ゆっくりめのテンポで、なかなか雄大である。
トリオは、中庸のテンポで、チェロの主題も美しい。流れも悪くない。
第4楽章、こちらは、ぐいぐいとかなりエネルギッシュ。最後までスケールの大きい音楽がつづく。この稿だと、エーザー版とくらべてカットが多く、あっさりと終わってしまう。