朝比奈さんのCDを今になって集中的に聴いています。
CDは、まずほとんど全部もっていますので、出してくればいいわけです。
しかし、こういうこといままでになかったのです。
だいたい、ほとんど、CDが出たのと同時並行で生を聴いていたわけです。
だから、つねに今の音を意識していたわけです。
今、聴いてみて、
一番最後のものは、やはりすごいと思います。
今、はじめて朝比奈隆という人間の音楽を聴くなら、最後のころのものを聴けばいいのでしょう。
最後でなくても初期でもすごいのがあって、たとえば、フロリアンのブルックナー、そういうものをちょっと追加して、聴けばいいのでしょう。
今になって、下手だったといわれる初期のもの、けっこう上手なんです。私も年をとって、あんまり細かいことにこだわりがなくなった、ということもあるでしょうね。
しかし、こういう昔のものを聴くと、こうやって、いろんな演奏ができてきたんだ、ということがよくわかって面白いです。
最晩年、ブラームスの演奏で、朝比奈さんは、非常にテンポのはやいすっきりした演奏にかわりました。クレンペラーを意識したそうです。
しかし、それも必然だったような気にもなります。