大阪フィルの定期演奏会は、ながらく大阪フェスティヴァールホールで行われていた。朝比奈さんの時代はずっとそうである。
大阪フェスティヴァルホールは建て替えられて、新しくなった。
その後、ザ・シンフォニーホールが誕生、これは、日本で最初のコンサート専用のホールであるが、ここの音響効果はすばらしいだけでなく、ステージと聴衆の距離が短く、たいへんアットホームな感覚がある。このホールは、日本で最高のホールではないか、と思うのである。このホール、大阪フィルは、演奏会をよく開いていたが、定期演奏会では、大植さんの時代になってようやく移した。それも定期は、2回演奏するということになった。
大阪フェスティヴァルホールは、非常に大きく、観客動員も相当できるわけだから、シンフォニーホールに移すことは難しかったのだろう。
話は飛ぶが、ザルツブルグ祝祭大劇場。
ここに行くと、妙に懐かしい気分になる。
というのは、ここのホール、大阪フェスティヴァルとうりふたつである。というより、ザルツブルグは、大阪フェスティヴァルホールをモデルに作られたのである。来日したカラヤンが、この横幅の広いホールに見せられたらしい。ヨーロッパのオペラハウスは、舞台装置のためだが、どこも奥行きはあっても、幅がないのである。それで、カラヤンも新鮮に感じたらしいのである。
大阪フェスティヴァールホール、デッドのようであるが、けっこう響きがよかった。
とくに2階のてっぺんまで音が届く。
ボックス席は、意外に音はよくなくて、ぞうせ選ぶなら、2階の袖のボックス席が好きだった。
ここの席、非常におもしろくて、2000年のベートーヴェンの2、6を聴いたとき、いっしょに行った友人と席を交換したのだが、あきらかにとなりで、響きが違う。これはおもしろかった。それから、もしここがとれれば、いつもここに座った。しかし、テレビが入るときは、ここにカメラが来てしまう。
フェスティヴァルホールで一番よくない席は、1階のうしろ、2階席がひさしになっているところ。あそこは、舞台はきれいにみえるが、音は響かない。