これも1980年の東京カテドラルのライブ。XRCD化。音はすばらしくよい。5番の方が、ダイナミックさが自然にとれているが。
この演奏も聴いているのだが、今回XRCD化されて、えっ、こんな演奏だったっけ、という印象を持つ。
この演奏会、ロマンティックのあとにあって、あういうパカスカいうのがなくて、いまひとつはっきりしない、どちらかというと、響きのうすい演奏だったように思っていた。
今、じっくりきいてみて、印象は異なる。実は、非常な名演奏だった、と思うのである。
まず、後年の演奏よりも、より改訂版の影響があるような、テンポの動きが顕著。晩年のは、もっと自然である。
相当、彫りが深い表情がある。
音の流れが太くかなり強い。これだけ、音響が充実している9番は、朝比奈さんの演奏では珍しいかもしれない。