ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 2000年

ブルックナー 交響曲第4番

ハイレゾ音源もあります。

ブルックナー 交響曲第4番 ハイレゾ

朝比奈さんの最後のブルックナー演奏のシリーズ。これをハイブリッドで再発したもの。ただし、ハイクオリティSACDということで、ステレオオンリーである。このシリーズは、第9だけは、最初からSACDで発売されたが、これもHQで出た、
2000年11月27日、ザ・シンフォニーホールでのライブ録音。非常にすばらしい音響空間を再現している。実にのびのびとした音である。やはりステレオに特化したことで、フォーマットの余裕があるのだろう。

これは実際に聴いた演奏。この演奏会は、マネージメントがいつものところでなかったこともあって、めずらしく空席が目立った。最晩年の朝比奈さんのブルックナーといえば、あっという間に売り切れたから、非常にめずらしいことだった。

今、あらためてきいてみる。とてもテンポが速く、比較的さらっとした表現である。最晩年の朝比奈さんは、とくに新日本フィルとブラームスチクルスをやったときにクレンペラーを参考にしたそうだ。昔よりぐっとテンポが速い。

このブルックナーも非常にあっさりとやっている感じもするが、録音もすばらしく、実に至福の音響空間に浸ることができる。NHK交響楽団のものより、さらにすっきりした表現である。しかし、軽いというのではなくて、不思議な快適さの中に、圧倒的な満足感がある演奏。

当時、この年齢になって、またあらたな表現に挑戦、というイメージを抱いたものだが、今改めてきくと、これが到達点なのだ、と感慨深い。NHK交響楽団の名演から1ヶ月たっていない。さすが大阪フィルとの結びつきが、ほかでは絶対きけない響きを出している。

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ブルックナー 交響曲選集 朝比奈隆 大阪フィル EXTON 2001年

朝比奈さんが亡くなる直前に、大阪で行われた朝比奈隆の軌跡というシリーズで、ブルックナーの交響曲が取り上げられました。

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演奏されたのは、5,8,9の3曲。このほかに、別の企画で4番が演奏された。あと、定期演奏会で7番が演奏されています。

キャニオンから発売されているのは、このうち、4,5,7,9で、8はこのシリーズではなく、サントリーで2日間おこなわれたものです。 朝比奈隆の軌跡は大阪の朝日放送で録画され、放送もされました。DVDの発売予告がありましたが、発売されていません。9番の映像のみEXTONから出ています。

なお、ほとんど同時期に、フェスティヴァルホールでの定期演奏会で8番を、そのすぐあとに名古屋で8番を演奏しています。

朝比奈さんにとっては、最後のブルックナーのシリーズ。9番が演奏されたあと、名古屋のチャイコフスキーの演奏が生涯最後のものになりましたが、その次の大阪での定期は3番が発表されていました。その楽譜の版が話題になっていましたが、棺に入れらえてしまいましたので、どの稿なのかわからないままになっています。この演奏会は、外山雄三がかわり、内容はシューベルトのグレイトでした。

というわけで、シンフォニーホールでの8番は、CDメディアでは出されていません。テレビでの放映はされており、これも非常にすばらしい演奏でしたが、東京の分が発売されてます。

同時期の名古屋の演奏は、私がきいた8番では、最高のもので、これこそ一生の思い出になる超絶名演でした。朝比奈さんがなくなったあと、DVD-オーディオとCDの抱き合わせの形で発売され、その発売形態が非難の的になってしまいました。

最晩年の朝比奈さんは、クレンペラーを意識したということで、非常にすっきりとして、そしてテンポのはやい、贅肉のとれた演奏が特徴です。

最後の第9番は、映像にもあっていて、もうヨボヨボで見るのもつらく、また演奏もかなり不安定です。

しかし、それ以外は、非常にすっきりした名演になっており、この年になって、この境地に達したという、すばらしく完成度の高い演奏が記録されています。

とくに、SACDとなって出てきたものについては、ものすごく音が美しく、ちょっと信じられない境地です。

交響曲第4番 シンフォニーホール 朝比奈隆の軌跡
交響曲第5番 シンフォニーホール 朝比奈隆の軌跡
交響曲第7番 フェスティヴァルホール 定期演奏会 生涯最後の大阪での定期演奏会
交響曲第8番 サントリーホール 東京定期演奏会
交響曲第9番 シンフォニーホール 朝比奈隆の軌跡 生涯最後のブルックナー演奏

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ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 大阪フィル 2001年 名古屋

ブルックナーの交響曲第8番で私がきいた最高の演奏は、最晩年の名古屋で、最悪のものは、その直前の大阪での定期演奏会。この大阪があんまりにもひどく、このままでは残念なので、名古屋に行ったのである。

名古屋の演奏会、直前にチケットをとろうとしたら、名古屋のチケットオフィスでは電話したら、一応在庫はあるが、今日中にとりにきてくれないと、という。その日は平日でそれは無理。ということで、当日朝はやく、チケットがないまま名古屋へ行ったのである。プレイガイドをいくつか回ったが、売り切れ。仕方がないので、ズッへカルテをするために会場へ。もう数人並んでいた。そのなかの1人が、「私は熱心な朝比奈さんのファンです。ぜひともチケットゆずってください」という看板をつくっていた。それを交替でもつのだが、私の前にいた女性がしばらくもっていたが、観客が増えてくると視線が気になるらしい。がまんできなくなったようで、かわってくれという。私がかわりにもったのだが、「これ、もっていることが価値があるんだけど、いいんですか?」と言ったのだが、視線が気になるらしい。しばらくもっていたら、観客の1人が、連れがこれなくなったので、使ってください、という。お金ちゃんと払います、というと、「ここまでして聴きたいという人から、お金なんかもらえません」とか言われて、もらってしまった。

この席が、1階中央のすばらしい席で、そういう風に苦労してチケットとったということもあるのだけれど、もう本当に涙ぽろぽろの超名演だった。何よりも、オケのコンディションがよく、さらにぐんぐんすすんでいくエネルギーがすばらしい。
東京からきていた友人が。「すごいものをみてしまった」という。ヴァントよりずっといいとも。

このとき一緒にチケットを入手しようとした人は、今でもときどき演奏会で会うことがある。私の後ろに並んだ人は、主催者が、招待用にのこっていたのを売ったらしい。最初からそうすればいいのに。

終わってから、東京からきた友人3人とで、名古屋コーチンの焼き鳥をたべた。しかし、「チケットゆずってください」の看板がおいてあったということが話題になり、それを私が持っていた、というと、非常におどろいていた。

この名古屋の録音は、おっさんが亡くなってからずいぶんたって発売された。当日の雰囲気がそのまま感じられる超絶的名演である。最後のサントリーのものも、いい演奏だが、名古屋の方がオケの乱れが少なく、非常に造形も美しい。

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この演奏は、CD+DVAで最初発売されましたが、今は入手は難しいと思われます。
DVAでは、サラウンドで楽しめます。
ただ、DVAを聴かない人には、不評でした。そのため、いまは、CDSのみで、出ています。

CDは、こちら ↓ ↓ ↓

朝比奈 ブルックナー 8 名古屋

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