ベートーヴェン 交響曲第9番 朝比奈隆 大フィル 学研 1972

ベートーヴェン 交響曲第9番
朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
平田恭子(ソプラノ)
伊原直子(アルト)
林誠(テノール)
高橋修一(バリトン)
石川県音楽文化協会合同合唱団
アサヒコーラス
グリーンエコー
アイヴィーコーラス
大阪メンズコーラス
【録音】
1972年12月27日
大阪フェスティバルホール(ライヴ収録)

第9のみは、ライブ録音。コーラスもソロも必要なので、年末のフェスティヴァルホールの演奏が採用されている。

さて、最後は第9です。
聴き始めてビックリです。後年の演奏とそう違いはありません。
むしろ、ひとつひとつ丁寧にすべての♪がきちんと演奏され、非常に重量感のある演奏になっています。乗ってくるとテンポもはやくなり、これがすごい迫力です。

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ベートーヴェン 交響曲第8番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第8番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月10日
大阪厚生年金中ホール

ホールの音響がなかなか綺麗。
表現は、なかなか重厚で、この曲の一般的なイメージとは異なる。
後年のものはもうすこし軽快感があるが、基本同じ。変なことしないので、これはこれでスタイルとしては徹底している。
これ、しかし、めちゃくちゃ面白い。
厚みがあって、糞真面目な表現だが、なんかすごく和む。

第2楽章なんか、こんなに重いのに、テンポが意外にはやくて、そして何か非常に楽しげ。

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ベートーヴェン 交響曲第7番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第7番
朝比奈隆指揮 大阪フィル 
1973年8月7日セッション録音

私が最初に朝比奈さんのライブを聴いたのは、1972年6月5日である。
曲は、マーラーの千人。ほとんどその頃の録音。

学研の全集を聴き始めた。順番は適当に。最初は第7番。

後年のものとちがって、まさに楷書の音楽。
かどばっていて、固い固い。生真面目そのもの。
楽器の音色なんか、単調。
音もかなり野暮ったいけど、洗練されていないだけで、悪くはない。
テンポはかなり遅いが、安定している。
音にはすぐに慣れてくる。非常に誠実な演奏で、当時、そうだったかなあ、と思いつつ、感慨にふける。
第4楽章の後半は、さすがに熱い演奏になっている。

非常にゴツゴツした印象で、これ以降の演奏ではもうすこし柔軟性が出てくるが、骨格はかわっていない。

リハーサル風景がついている。リハーサルの演奏の方が力みがなくて、かえっていいくらいである。朝比奈さんの指示はくわしいところは収録されていないが、声自体がはやくて若々しい。

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ベートーヴェン 交響曲第6番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第6番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月7日
大阪厚生年金会館中ホール

響きが綺麗。
第7番とは同じ日なのに。

厚ぼったくて、洗練さがないというか、ドロっとしていて、あんまり田園交響曲というイメージはない。
しかし、オーケストラは十分鳴っていて、音楽としては、非常に充実感がある。

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ベートーヴェン 交響曲第5番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第5番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年7月18日,8月7日
大阪厚生年金会館中ホール

同じホールなのに第7番とはまったく違う響き。
豊かな響きがあるので、あまりゴツゴツとした印象がない。

じゃじゃじゃじゃーんが、非常に豊かで分厚い。
そのあとのテンポはゆっくりだが、表現におおらかさがある。

第2楽章は、意外にはやい。音に厚みがあり、なかなかおおらかな音楽のつくり。

第3楽章から、なかなか充実した響きを見せる。

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ベートーヴェン 交響曲第4番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第4番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月8日,9日,10日
大阪厚生年金中ホール

驚くべき名演である。

響きもよく、表現も後年のものとほとんど同じで、非常に完成度が高い。
軽快さとは無縁で、非常に正攻法の迫力のある表現。
後年のものより、テンポもおそく、いくぶんガチガチしている分、骨太さを感じる。新しいものより、表現が徹底しているともいえるかもしれない。
音色もなかなかいい。

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ベートーヴェン 交響曲第3番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第3番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月9日
大阪厚生年金会館中ホール

後年のベートーヴェンでは、圧倒的に名演が多いエロイカだが、やはりこの曲は、朝比奈さんの体質にあっているというか、この最初の全集でもなかなかいい演奏である。やはり野暮ったさは残るが、すごい推進力だし、なかなか充実した響きである。
後年のものと比べると、非常にオーソドックスで、何もしていない感覚があるが、それでいて、この曲の本質もしっかり表現できている。しかし、ビクターの名演も1977年だから、あんまり時間がはなれていないのだなあ、といまさら思う。フロリアンだって、1975年だ。
後年のものとの違いは、時期よりもセッションかライブかの違いかな、とも思える。ライブでの凄さはやはりない。それと、音色がちょっと単色系というか、最晩年のものは、もっと音色が多いという感じ。77年のものより、ある意味表現に一貫性があって、これはこれで非常に立派な演奏。

大フィルの音色は、やはりまだ野暮ったさはある。
大フィルの音色が急に純度を増すのは、1975年からである。
あのヨーロッパの演奏旅行の前に、ものすごく鍛えられたのである。その証は、旧大フィル練習所の譜面台で見ることが出来た。譜面台に電子オルガンがついていて、これで、ピッチをあわせる練習をしていた。だから、ヨーロッパ出発前のフェスティバルホールでのブルックナーの第7の音がそれまでと全然違っていたことを思い出す。それがあのフローリアンの演奏につながることになる。

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ベートーヴェン 交響曲第2番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第2番
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月8日
大阪厚生年金会館中ホール

第1番とつづけて聴くと、音質がずいぶん違う。
会場は同じだが、翌日。
非常にきりりと引き締まった表現で、なかなかスタイリッシュでもある。
なかなかスケールも大きい。すばらしい演奏である。

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ベートーヴェン 交響曲第1番 朝比奈隆 大フィル 学研 1973

ベートーヴェン 交響曲第1番 
朝比奈隆指揮 大阪フィル
1973年8月7日
大阪厚生年金会館中ホール

響きが綺麗で、なかなか雄大な演奏。
非常にきちんと演奏されていて、あんまり小型シンフォーにーの感じがしない。シャレた感じもある。

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ベートーヴェン 交響曲全集 朝比奈隆 大阪フィル 学研の最新リマスター

朝比奈さんの最初のベートーヴェンの交響曲全集は、学研が録音し発売しました。
当時、メジャーレーベルは、朝比奈さんを相手にしませんでした。

後年、あれほど、もてはやされたブルックナーなんて、もっと冷遇されました。朝比奈さんが日本のメジャーレーベルで最初に出したのは、ビクターのベートーヴェンです。ブルックナーに至っては、最初に出したのは、ジャンジャンです。レコード会社ではありません。あのジャンジャンのレコードで朝比奈さんの輝かしいブルックナーの歴史がはじまったわけですが、ベートーヴェンは、この学研盤です。これは最初の全集というだけでなく、セッション録音であるということでも価値があります。

この録音は、最初は、学研のLPのセットで、
CDは、メーカーをかえて2回出ました。
最初のCDは、カペレで分売。カペレでは園田さんとのピアコンもありました。
2回めのCDは、セットで。グリーンドア。これが異常に高価でした。

CDは、出てすぐに買いました。
最初のLPは、いつでも買えると思っていて油断していて廃盤になってしまいましたが、オークションで入手しました。

これが最近リマスターしてタワーレコードから発売されました。
元はアナログですから、今の技術をつかって、おそろしく音がよくなっています。

ブックレットの内容がすごいです。88ページというより、その中身。オリジナルの復刻です。井上靖、吉田秀和・・・。これだけの面々をあつめたこと自体、当時レコード録音がいかに大事業だったかわかるというものです。

録音の日程がすごいですよ。一気にやってます。
会場は、大阪厚生年金会館の中ホールです。今はもうありません。
大ホールはいまは、改装されてオリックス劇場になりました。当時、大ホールの音響は評判が悪かったのですが、中ホールは抜群でした。で、この録音がされたのです。

【録音】
1973年8月7日(1,6,7)
1973年8月8日(2)
1973年8月9日(3)
1973年8月8日,9日,10日(4)
1973年7月18日,8月7日(5)
1973年8月10日(8)
以上 大阪厚生年金中ホール

1972年12月27日(9,10)
大阪フェスティバルホール(ライヴ収録)

1972年1月16日,17日(11)
1972年1月17日(12)
以上 箕面市民会館

実は、この録音もっていながら、通しで聴くのは、今回がはじめてです。これから、ひとつひとつ聴きながらコメントします。

朝比奈隆/ベートーヴェン: 交響曲全集 (特別収録曲付き)<タワーレコード限定> [TNCL-1001]

朝比奈初めてのベートーヴェン全曲録音。最新の高音質リマスタリングで蘇る不滅の金字塔!
1973年、朝比奈隆の楽壇生活40周年を記念して学研が制作したベートーヴェン交響曲全集。唯一のセッション録音となったこの全集には、当時65歳の朝比奈の気迫に満ちた演奏が余すところなく収められています。今回のCD化にあたり、LPレコードで発売された当時の解説書を復刻(88頁)。さらに、特別編成盤として、1972年に別企画として録音された「運命」「未完成」も収録しました。
このセットは、当時朝比奈の楽壇生活40年を記念する企画であり、当時の学研がコストをかけてセッション録音をしたものです(一部はライヴ)。LP時代は豪華なBOXで発売され、CDの極初期に一度学研のレーベルで再発、そして数年前にリマスターを施した状態で国内のインディ・レーベルより再発売されておりました。そのときもブックレットを再現し、音質も向上をしており、朝比奈ファンを大いに喜ばせる出来でしたが、箱が大きく価格的にも高価でした。今回の再発売では、解説書も同じく当時のまま復刻し、ジャケはなるべく初出LP発売時のBOXのデザインを再現(金箔等再現不可要素もありましたが)し、さらに2013年最新リマスタリングを施し音質は更に向上。もちろん、別収録の「運命」と「未完成」も特別収録として今回収めております。
当時の熱気漂う豪華執筆陣による解説他も魅力的な要素のひとつ。発売当時、日本人によるベートーヴェンの交響曲全集の録音はまだ少なかった状況もあることから、この朝比奈の全集における日本の音楽界・文化界における期待は並外れたものだったのでしょう。特に同じ大学であった井上靖氏のエッセイ(大学時代に一度だけ声を交わした)や、吉田秀和氏による譜例を含めたベートーヴェン解説、諸井誠氏の作品解説は圧巻です。資料としても十分保存価値のあるものばかりです。何より総数88ページというのは読み応えのある素晴らしい解説書です。
朝比奈のベートーヴェン演奏の原点が聴ける今回のセットは、朝比奈ファンだけではなく、日本のベートーヴェン愛好家にとっても忘れられない、貴重な音源となるでしょう。待望の復刻です。

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