朝比奈隆生誕100周年記念のCD発売は、再発ものがほとんどだが、これは、純然たる新譜。
1996年4月6日、サントリーホールでのライブ。
この時期、在京のオケでチクルスをやっていた。4つの交響曲と4つの今チェルト。
これは生は聞いていないはず。
後年、クレンペラーをヒントにして、テンポの速い演奏になって、みんなを驚かせたが、これは、正反対に超重量級の演奏である。
ド迫力に圧倒される。
テンポが遅い上に、ひとつひとつの音が、やたら丁寧に弾かれており、それが、圧倒的な音の塊になって迫ってくる。最晩年のような、全然スカッとしているところがなく、野暮ったいのだけれど、この時期の朝比奈さんの音楽の魅力ですね。