ブルックナー 交響曲第8番 朝比奈隆 大阪フィル ジャンジャンお蔵入りバージョン

ジャンジャンの全集では、最初後期3曲をレコーディングで行い、初期、中期は基本ライブということで企画された。2番は、公開録音となった。

それで、響きのよい神戸文化ホールでまず、7,8,9と録音された。

しかし、オーナーの高橋氏は、この8番の演奏が、いまひとつ気に入らなかったらしい。もっともっと出来ると思ったらしい。

それで、同じホールで、観客をいれて録音しなおしとなった。この録音は、観客は、席のうしろの方にいれられた。前方の席はあけられていた。

そして、その公開録音が発売となった。これが衝撃的な演奏として歓迎された。

さて、そのもとの録音はどうなったのだろうか。

ジャンジャンでは、最初8番のみ、つぎに7,8,9番の3曲、そして、最後に全集と3回にわけて発売されたので、最初の8番と次の後期のものとは別の演奏ではないか、という噂もあったが、私は全部勝ったので、同じものであるということはわかっていた。

ジャンジャンの全集は、数回出ているが、3回目に出た全集で、特典盤としてこの演奏がはじめて公になった。

これ、なかなかいい演奏である。で、再録と似たようなスタイルであるが、やはり再録した方が熱気もあるし、すばらしいと思う。

・交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)[82:47]
 第1楽章:15:49
 第2楽章:16:38
 第3楽章:26:20
 第4楽章:24:00
 録音時期:1976年4月15、16日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)

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ブルックナー 交響曲第9番 原典版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン

ジャンジャンのブルックナーの最初の録音のひとつ。

神戸文化ホールでのレコーディング。

1976年4月22日。

第7番の少しあとになる。

当初LPで出たときは、あんまりステレオ感を感じない録音だったが、これは、マルチマイクのマスターによるもので、かなりオンマイクの録音になった。

非常にすばらしいアナログ録音である。

10分35秒あたりで、急に雰囲気がかわるので、切り貼りしているということだろう。

23分50秒に音ゆれがある。

朝比奈さんの、ブルックナーの9番の生演奏は、数回聴いているが、完成度の点でいまひとつということが多く、レコーディングでもなかなかその感じが否めない。

本人は大好きな曲であったようだが、演奏は相当難しいようだ。

第1楽章

ゆったりとすすむ。比較的スムーズに流れるが、比較的表情が一定というか、後年のものと比べると単調な感じもある。

今、あらためて聴くと、オケの力量もふくめ、意外と出来がいいように思う。かなり自由なところもあって、けっこうおもしろい。

第2楽章

比較的淡々としているというか、後年のような、かなり重量感のあるものとは印象がちがう。

テンポの自由度はかなりある。

トリオ部分も、比較的あっさり目である。

第3楽章

丁寧にやっているが、深みとか壮絶さという点では、晩年のものとくらべてはいけないかもしれないが、少々ものたりない。後年とくらべると、おとなしいとの印象ではある。対旋律が単調なので、全体的な力感も弱い。しかし、この時点での演奏としては、相当すごいものだったと思う。最後のヴァイオリンの旋律など、かなり歌っており、中期のものと比べると表現意欲は強いと思う。

************

この第3楽章のリハーサルが付属している。

朝比奈さんの練習は、きわめて職人的で、ひとつひとつ技術的なものを克服していくという方法。

最初の音が合わない、ということをしきりに言う。それと、遅れないように、と。

遠慮しないで、歌うように、とも。

この遅れるのは、かなりの責任は朝比奈さんの棒によるものだろうけど。

金管で、どうしてもピッチが合わないところがある。

ちなみに朝比奈さんは、この第3楽章の最初は4つ振りにしている。

期待されるような、教養とか、精神論とかは、まったくない。

声が若々しいですねえ。

このリハーサルでの音、けっこう音になっていて、本番よりいいかもしれない、というところがけっこうありますね。

・交響曲第9番ニ短調 WAB.109(ハース版)[64:55]
 第1楽章:26:50
 第2楽章:11:27
 第3楽章:26:38
 録音時期:1976年4月22日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 新発見のオリジナル・マルチによるデジタルリミックス盤

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ブルックナー 交響曲第8番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン 

朝比奈さんのブルックナーとして、最初に発売された演奏です。衝撃の演奏でした。

ディスク・ジャンジャンのもので、これだけは、単独発売されました。ほかの作品は、セットでしか発売されませんでした。ただし、CDの時代になってからは、セットだけです。

2枚組4800円だったと記憶しています。

ジャンジャン盤の経緯については、別途書きましたので、こちらを参照してください。

これが、すべての始まりです。

レコード史上に燦然と輝く大傑作です。

まずエピソードを。

私の高校のときからの友人ですが、すごくブルックナーが好きでいろいろ聴いていた人なんですが、あるとき、FM大阪のリクエスト番組を聴いたのですが、最初から聴いていなかったので、演奏者がわからなかったんです。リクエスト番組だから、番組表にものっていません。

曲は、ブルックナーの交響曲第8番でした。それで途中から聴いたのですが、何てすばらしい演奏なんだろう、と思ってききほれていたんだそうです。ひょっとしたら、これは史上最高の演奏といえるのではないか。誰の演奏だろう。ドイツの名門だろうが・・・。

それで、最後のアナウンスをききました。朝比奈隆指揮大阪フィルの演奏です、との説明に彼は腰をぬかしたそうです。彼は、それまで、大阪フィルの生演奏もよく聴いているのですが、それでもわからなかった、ものすごく洗練された響きがするのです。それ以上に解釈がすばらしいのです。

これが、ジャンジャンの演奏です。

ディスクジャンジャンはメジャーレーベルではないので、レコード芸術ほか、この演奏の批評は出ていません。このレコードを扱っていたレコード屋もすくなかったのです。

私は、大阪フィルの事務局で買いました。先日、ある音楽会が、ジャンジャン跡地であったのですが、そこに、朝比奈さんの演奏によく来ていた人がいました。お互い顔はわかっているのですが、初めていっしょに飲みに行きました。彼は、ジャンジャンで買ったそうです。それ以来、ジャンジャンという場所は、朝比奈ブルックナーファンとしては聖地といっていいのです。私がそう言うと、彼もよくぞ言ってくれました、と返してきました。

この全集の演奏レベルは、けっこう下手なのもあるのですが、この8番は、けっこう洗練された響きがしています。おどろくべきハイレベルの演奏です。朝比奈さんの第8の録音はかなりたくさんありますが、これが一番いい、という人もいると思います。

この演奏は、私は録音にたちあっています。最初の録音 が、ジャンジャンの高橋氏が気に入らなかったらしく、再録音をしたのです。それで、どうも、朝比奈さんが、観客がいないと盛り上がらないということで、すこしですが、いれたのです。1976年8月23日のことでした。

朝比奈さんもオケもラフな格好で演奏していました。

テイクが始まると、一気にとってしまい、解散してしまったので、とりなおしなしの一発勝負のレコーディングになりました。朝比奈さんが満足してしまったようで、修正ができることをわすれてしまったそうです。あとで事務局の人がそういっていました。

私は、1974年に大阪フィルの定期演奏会を聴いていますが、そのときとくらべ、この演奏、とんでもなくすばらしく完成度が高いという印象を持ちました。会場にいた人、みなそう思ったと思います。

さて、この演奏、今聴きますと、当時すでに、これだけすごい演奏だったのだと改めて思います。朝比奈さんの第8番の原点ともいえますが、数ある演奏のなかで、もっとも凝縮された熱っぽさがあります。

しかし、懐かしい思いです。これを聴くと。発売当初、毎日のように聴いていました。

楽譜は、ハース版とノヴァーク版の折衷ということである。

まず、オケの技術ですが、この当時は、今と比べ落ちるとは思いますが、とくに不満はありません。この第8の場合、この全集のなかでも、音が洗練されています。金管楽器など、ピッチがあやしいということもいえますが。最晩年にいたるまで、スタイルはほとんど変わっていません。この時期で、スタイルが確立されているといえます。

第1楽章、いきなり絶好調です。とくに、オーケストラの音が、後年のものとくらべ、けっこう暗い音ですが、非常に力があり、迫力満点です。表現は、インテンポですが、後年のものとくらべ、すこし甘いところもありますが、非常に熱のこもった凄みのある演奏です。最後のところ、しずかになって、ゆっくり終わるのですが、こういうやり方、あとのにはないですね。ちょっと迫力不足にはなります。

第2楽章、かなり快適なテンポで進みます。音がぐいぐい進む点では、一番迫力のある演奏かもしれません。ただ、後年とくらべ、やや平板なところもありますが、あまり気になりません。

第3楽章、第8番の録音のなかでは、一番ストレートというか、あんまり感傷的な表情もなく、あっさりしている。後年のものとくらべて、デリカシーは不足する。ここが違うといえば違う。力感あふれ、朗々としているが、表情が比較的静か。といっても、晩年のものと比べると、という意味で。しかし、後半になると、なかなか熱いものを感じさせる。

第4楽章、すごい推進力のある演奏。ぐいぐい進む。ここも、後年のものとくらべ、音色は比較的単調です。ただぐいぐい進む力はなかなかすばらしいものがあります。

・交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)[84:26]
 第1楽章:16:00
 第2楽章:16:50
 第3楽章:26:59
 第4楽章:24:37
 拍手:4:57
 録音時期:1976年8月23日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)

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ブルックナー 交響曲第7番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン

ジャンジャンによるレコーディング。

これは、ライブではなく、セッション録音。

LPでは、あまりステレオ感がなかったが、CDはオンマイクで横に広がる。もともとワンポイントとマルチの両方のマスターがあり、LPはワンポイント、CDはマルチを使っている。

LP時代、モノ的に聴こえ、とくにフロリアン盤があるなかで、あんまり聴く気がしなかったのだが、CDはマルチのマスターで、音がかないリッチになり、今聴くとけっこうおもしろい。

神戸文化ホールの響きのためか、比較的アラがめだたない。このシリーズのものでは、かなり上質の音である。

フロリアン盤と比べると、ずっとテンポもはやく、線も太い。しかし、テンポははやいものの、フロリアン盤とスタイルはよく似ている。この時点で、演奏スタイルが確立されている。

思いのほか、純度の高い音で収録されている。

第1楽章

なめらかにはじまる。演奏スタイルが後年のものとそう違いがない、非常にこなれた演奏。コーダも、猛烈に遅いテンポになっており、フロリアン盤と共通。

第2楽章

基本フロリアン盤に近い、もうすこしテンポがはやく、線が太い。朗々として歌がある。

第3楽章

朝比奈さんのスケルツォとしては、テンポが速い。しかし、重量感は失わない。

第4楽章

朗々と、また堂々と。1、2楽章にウェイトをおきがちだが、フィナーレとして非常に立派な演奏になっている。

・交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ハース版)[67:44]
 第1楽章:20:50
 第2楽章:23:10
 第3楽章:09:34
 第4楽章:13:10
 録音時期:1976年4月14日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)

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ブルックナー 交響曲第6番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1977年 ジャンジャン

ジャンジャン盤の第6番。

朝比奈さんとして、最初の第6番の録音。

1977年9月1日、東京文化会館での実況録音。

ジャンジャンのレコーディングのなかでは、洗練さがまったくないというか、野暮ったい音の最右翼。
がなりたてていて、ちょっとうるさい。

後年、とくにキャニオン盤がすばらしいだけに、今聴くと野暮ったさが目立つ。

ただ、ものすごいエネルギー感というか、押し寄せるパワーは非凡なものがある。

第1楽章

後年のものより、かなりゆったりしたテンポ。かなり音の作り方は重い。オーケストラの音も、あまり美しくはなく、がなりたてている印象。ただ、勢いはある。かなり音も固い。

第2楽章

中庸のテンポ。太い。オケの音色はあまり美しいとはいえないが、流れは悪くない。思い入れはあんまり強くなく、比較的あっさりした表情。(最後のキャニオン盤のすごいのは、すらっとやっていて、デイカシーがすばらしいこと。)

第3楽章

アンサンブルの精度はいまひとつながら、演奏スタイルとしては、後年のものにちかい。堂々としたあしどりでぐいぐい進む。トリオは、動きは固いが安定はしている。中間部もかなり重い。

第4楽章

ぐいぐいと、推進力が見事。音は、後年のものと比べると、やはり野暮ったい。弦楽の動きも固い。
しかし、力強く豪快な音である。

・交響曲第6番イ長調 WAB.106(ハース版)[59:13]
 チューニングと拍手:1:53
 第1楽章:17:44
 第2楽章:17:08
 第3楽章:09:17
 第4楽章:15:04
 拍手:7:27
 録音時期:1977年9月1日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

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ブルックナー 交響曲第5番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1978年 ジャンジャン

ジャンジャンの交響曲全集の最後に録音されたのがこの第5番。

1978年1月25日、大阪フェスティヴァルホールにおける実況録音。私は、この演奏を実際に聴いている。

朝比奈さんは、この曲の演奏がもっとも難しいということで、最後まで残していたのである。ジャンジャンの全集には、このことについての朝比奈さんの文章が載っている。

これは、ジャンジャンの録音の最後だということで、私もけっこう気合がはいっていた。それで、大阪フェスティヴァルホールのボックス席をとったのである。それも中央の。このホールでは、最高の席である。こういう席がとれたのも幸運であった。

しかし、私は、この生演奏を聴いて、楽しめなかったのである。

実は、この席がよくなかったのかもしれない。音がダイレクトに届かないのである。ある種のもどかしさが残った。そして、当時の私にとって、この曲はまだ理解不能だったのである。はじめて、おもしろいと思ったのは、その後のザルツブルグ音楽祭のカラヤン指揮ウィーンフィルのFM放送を聴いて、そして、朝比奈さんの演奏で本当に感動したのは、1980年のカテドラル公演である。当時、私は、クナッパーツブッシュなどのLPで聴いてはいたのだが、曲そのものになじめなかった。

今、こうして、録音で聴けるわけであるが、非常にすばらしい演奏なのである。

朝比奈さんとしては、これよりも前で東京で大成功しているし、全集のしめくくりとして、確信をもって臨んだ演奏会に違いない。

当時のアナログ録音もすばらしく、雰囲気もよくでている。

第1楽章、非常にゆったりと進む。堂々としていて、厳かである。比較的静かに聴こえる。第2主題になっても、基本的に非常にゆったりしている。テンポがはやくならない。金管楽器のレベルが、やはり今よりもずいぶん低いが、弦は、比較的ダイナミックの幅が大きい。

第2楽章、非常に悠然とした表現。晩年のものよりも、ずっと表現が自由なのと、むしろやわらかさがある。

第3楽章、朝比奈流スケルツォの表現。テンポがゆっくり目でずしりと重い。これは、当時から同じスタイル。きわめて、まじめな表情である。晩年のものは、もっと楽しく演奏している。トリオのところにはいると、子供の声らしきものが聞こえるのはご愛嬌。

第4楽章、非常にゆっくりと静かにはじまる。前の楽章の回想シーンがつづく。フーガのはじまりから、だんだん熱を帯びてくる。どんどんのってくる。そしてコラール。このコラールが、どうしても金管の実力の限界を感じるが、善戦している。弦がしずかにでてくるところが感動的。それからは、ずっとエネルギーをもちつつ、圧倒的な迫力をもって終わる。

晩年の演奏と比べると、自由度が高いともいえるが、音楽するパワーを感じる反面、楽しさは後年の演奏に譲る。晩年は、もっと音楽が透明になり、愉悦のこころが加わる。

しかし、基本的なスタイルはほとんど変わっていない。それだけ、朝比奈さんのブルックナーとの出会いは、本当に幸福そのものであったということだろう。

・交響曲第5番変ロ長調 WAB.105(ハース版)[78:25]
 拍手:0:38
 第1楽章:21:30
 第2楽章:17:28
 第3楽章:14:33
 第4楽章:24:54
 拍手:5:11
 録音時期:1978年1月25日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

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ブルックナー 交響曲第4番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン

ジャンジャンの全集から、交響曲第4番 東京でのライブです。

このロマンティック。

最初聴いたときびっくり仰天しました。鳥肌がたちました。

それ、今でも同じです。

ただ、最初聴いたときと比べると、そんなに下手じゃない、という印象ですね。

まず、最初のホルンの音がきたないし伸びていません。当時の首席、下手だったんですよ。

それから、どんどん音はすすむのですが、ものすごく乗ってきます。ノリノリい。

バカスカ吹いてきます。

ぐちゃぐちゃです。

うっそお、

という感じです。

もうのりのりいです。

すごー

すごー

すごーい

演奏です。

音はあんまりきれいでないんです。

アンサンブルもばらばらなんです。

弦楽器が無造作なんです。

でもすごいんです。

すごー

すごー

すごーい

演奏です。

今、これだけ洗練されていない演奏じゃダメだと思うんです。

しかし、おもしろいんです。

第2楽章

チェロの表情味わい深いです。すごく下手です。

しかし、暖かいです。

ヴァイオリンの音はまだいいです。

第3楽章

ホルンがバラバラです。次のトランペットはまあいいです。

だんだん盛り上がります。

軍楽隊のラッパです。洗練されてません。

それがですね。

どんどん盛り上がりましてね。

やったあ

やったあ

やったあ

なんですよ。

もう楽しいったらないのね。

ガサガサですよ、音。

だけど楽しいの。

ゲネラルパウゼの前、最後無造作にドバサっと切るんです。

主部のあわりなんかすごいっすよ。鳥肌がたちます。

トリオのところ、丁寧にやろうと思っているのですが、ダメです。弦もそろってないのね。

しかし、また主部になるとすごいっすよ。これ。

アンサンブルはバラバラ、金管のピッチは悪い。木管もまちがいだらけ。しかし、おもしろい。

第3楽章の最後なんか、胸、バクバクします。

第4楽章

弦楽の低音をささえに、金管も木管も一生懸命ひいています。

しかし、ピッチが悪い。

しかし、だんだん乗ってきます。

そう、乗ってきます。

そう、最初のクライマックスう。

すごいっす。

すごいっす。

ナにこれ。

ど迫力。

それで最後まで一気に演奏します。

まあ、よくもまあ、

これだけ

パワフルにねえ。

これ、本当に下手な演奏だと思うんです。

しかし、心臓バクバクしますよ。

・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104(ハース版)[63:25]
 拍手:0:41
 第1楽章:17:17
 第2楽章:14:48
 第3楽章:11:06
 第4楽章:20:14
 拍手:2:40
 録音時期:1976年7月29日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

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ブルックナー 交響曲第3番 エーザー版 朝比奈隆 大阪フィル ジャンジャン

ジャンジャンの全集です。

朝比奈さんは、この第3番は比較的苦手にしていたようです。苦手といっても、残した演奏はどれもすばらしいです。

それとは関係ないかもしれませんが、ハース版一辺倒の朝比奈さんとしてはめずらしく使う楽譜もさまざまです。もっとも、第3番にハース版はないのですが。

この最初のジャンジャン盤は、エーザー版をつかっています。その後のビクター盤は、ノヴァークの第2稿、最後のキャニオン盤は、改訂版です。最後のものは、最初CDが発売されたときは、ノヴァーク第3稿と発表されていましたが、再販で訂正されています。ワーグナーの旋律のある第1稿は、演奏されていません。なくなった年に予定されていたのが、この最初のものになるといううわさがありました。しかし、そのスコアは、長男が棺に入れて燃やしてしまったのです。ここらへんの事情はよくわかりませんが。

これは、大阪フィルハーモニーの定期演奏会で演奏されたものです。1977年10月28日の大阪フェスティヴァルホールでのライブ録音です。

この前にイングリット・へブラーがモーツァルトのピアノ協奏曲を演奏しました。何番かわすれました。

この演奏会、私は聴きに行きました。席は、1階の左の方で、へブラーの背中が見えました。

それで非常に残念なのですが、まったくもっておもしろさがわからず、がっかりしたのです。しかし、まわりは拍手大喝采でして、そのギャップの差にショックを覚えました。

私は、この曲をちょっと苦手にしていまして、それで、なじめなかったのです。

しかし、今、これ聴くと、いい演奏なんですね。

第1楽章、かなりリズムにのって快調にはじまります。金管の全奏も立派。けっこう流れがいいです。その後も堂々とすすみます。

第2楽章、やさしい音楽ではじまります。だんたん高揚してきます。さすがに、後期のものとくらべると少し一本調子ですが、これがこのころの特徴でしょう。けっこう音楽がきれいに流れる。後半弦楽の感情のこめ方はなかなか見事。

第3楽章、朝比奈流スケルツォの極意。テンポは意外に速め。しかし重量感は朝比奈節。中間部もなかなかいいテンポですすんでいく。主部に戻ると、少しテンポの乱れがあるが、その後は、なかなか重量感があり、迫力満点。

第4楽章、ブルックナーのなかでも、どうももっともなじめない音楽といっていい楽章です。ポルカの美しさは好きですが、その直後の音がバラバラに聞こえるのです。とくに、このポルカは、むかしFMの音楽番組のテーマに使われていたので、親しみやすいのです。しかし・・・。あとは、どうも音楽がバラバラのような印象をもってしまいます。しかし、それでも、パワー全開で、最後まで進みます。

今聴いてもなかなかいい演奏です。しかし、第3番はキャニオン盤がダントツです。

・交響曲第3番ニ短調 WAB.103(エーザー版)[57:38]
 チューニングと拍手:1:48
 第1楽章:19:41
 第2楽章:15:05
 第3楽章:06:57
 第4楽章:15:55
 拍手:1:57
 録音時期:1977年10月28日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

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ブルックナー 交響曲第2番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン

ジャンジャンの第2番は公開録音でした。神戸文化ホールにちょっとだけ客を入れたのです。私は、この日は残念ながら参加していないのですが、参加した友人の感想を聞くと、行かなかったことを後悔したものです。

彼いわく、ここにいた聴衆のほとんどは、この曲をはじめて聴いたに違いなのですが、最初の1楽章おわったときに、みんな感動して思わずうなったそうです。

朝比奈さんは、初期の作品では、この2番が一番演奏頻度も多いです。NHK交響楽団ともやっていました。

このジャンジャンの演奏のなかでも、もっとも出来のよい演奏だと思います。けっこう新鮮な響きがします。

1976年8月25日 神戸文化ホールでの公開録音。こちらは、一部修正しています。

第1楽章。最初から、かなり洗練された音で演奏されます。この全集の演奏で、これだけ力みが少ないのはめずらしいです。ベースにある弦楽が非常にきちりとひかれていて、その上にメロディーも非常に丁寧に歌われます。第2主題もきわめて美しいです。木管のバランスも絶妙。旋律もゴチゴチしていなくて、なかなかステキな表情が出ています。

第2楽章。ゆったりしたテンポで、やさしい表情で歌う。アナログ録音の音場が非常にきれいに出ている。とても安らぎのある、そして温かみを感じるすばらしい音楽。

第3楽章。こちらもかなり丁寧で力みがなく、どちらかというと淡々としたところさえあります。朝比奈さんとしてはめずらしいというか、きわめて上品な仕上がり。音楽がうまくのっています。

第4楽章。こちらも比較的淡々とはじまるが、後半になるにつれて、かなり音に重さと迫力が出てくる。そして雄大におわる。

この第2番、今聴いてもすばらしい演奏です。非常に完成度が高いです。

・交響曲第2番ハ短調 WAB.102(ハース版)[69:52]
 第1楽章:19:12
 第2楽章:18:30
 第3楽章:10:25
 第4楽章:21:45
 録音時期:1976年8月25日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)

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ブルックナー 交響曲第1番 リンツ稿 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1977年 ジャンジャン

朝比奈隆 最初のブルックナー全集です。

これは、1977年1月24日の大阪フェスティヴァルホールでの実況録音。

私は、この第1番は、朝比奈さんの生演奏はついに聴く機会はなかった。この演奏会も知ってはいましたが、聴いていないのです。

さて、この第1番ですが、思い出話をひとつ。

これを買ってまもないときに、下宿でクナッパーツブッシュ大ファンという友人にブルックナーの交響曲第1番をきかせたのです。最初にノイマン指揮のゲヴァンとハウスの演奏を。そうしたら、彼はこれブルックナーの曲かあ?と言うのです。次にこの朝比奈さんの演奏をかけました。そうしたら、彼は、これ、ブルックナーや!と大声で叫びました。この朝比奈さんの演奏、最初から、ブルックナーの音がしていました。それがどういうものか、感覚的にかわからないのですが、まさにブルックナーの音。

きわめて優秀なアナログ録音です。ホールの響きがきれいに出ています。

第1楽章、比較的淡々と始まるが、しっかりブルックナーの音になっています。ぐいぐいと進んでいきます。ただ、オケとしては、洗練度がちょっと低いのが気になります。とくに金管。比較的思い切ってテンポをゆらして、自由な表現をしています。

第2楽章、無骨というか、素朴な表現。最初は、音のまとまりがない感じもする。だんだん熱気がでてきて、音のかたまりとなる。ただ、アンサンブルはいまひとつ。弦も歌がすくない。

第3楽章、朝比奈さんらしい、重さと迫力をもつ。ぐいぐいすすむ。ただ、旋律線が短く表情があまりない。トリオも、比較的淡々としている。

第4楽章,この楽章も淡々とすすむ。木管はデリカシーを感じるが、全体的に比較的一本調子というか、比較的あっさりしている。ただ、流れはきれいにでていて、最後まで一気に進む。

・交響曲第1番ハ短調 WAB.101(ハース校訂リンツ版)[46:59]
 第1楽章:12:28
 第2楽章:11:39
 第3楽章:09:14
 第4楽章:13:38
 拍手:1:19
 録音時期:1977年1月24日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

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