ブルックナー 交響曲第4番 ハース版 朝比奈隆 大阪フィル 1976年 ジャンジャン

ジャンジャンの全集から、交響曲第4番 東京でのライブです。

このロマンティック。

最初聴いたときびっくり仰天しました。鳥肌がたちました。

それ、今でも同じです。

ただ、最初聴いたときと比べると、そんなに下手じゃない、という印象ですね。

まず、最初のホルンの音がきたないし伸びていません。当時の首席、下手だったんですよ。

それから、どんどん音はすすむのですが、ものすごく乗ってきます。ノリノリい。

バカスカ吹いてきます。

ぐちゃぐちゃです。

うっそお、

という感じです。

もうのりのりいです。

すごー

すごー

すごーい

演奏です。

音はあんまりきれいでないんです。

アンサンブルもばらばらなんです。

弦楽器が無造作なんです。

でもすごいんです。

すごー

すごー

すごーい

演奏です。

今、これだけ洗練されていない演奏じゃダメだと思うんです。

しかし、おもしろいんです。

第2楽章

チェロの表情味わい深いです。すごく下手です。

しかし、暖かいです。

ヴァイオリンの音はまだいいです。

第3楽章

ホルンがバラバラです。次のトランペットはまあいいです。

だんだん盛り上がります。

軍楽隊のラッパです。洗練されてません。

それがですね。

どんどん盛り上がりましてね。

やったあ

やったあ

やったあ

なんですよ。

もう楽しいったらないのね。

ガサガサですよ、音。

だけど楽しいの。

ゲネラルパウゼの前、最後無造作にドバサっと切るんです。

主部のあわりなんかすごいっすよ。鳥肌がたちます。

トリオのところ、丁寧にやろうと思っているのですが、ダメです。弦もそろってないのね。

しかし、また主部になるとすごいっすよ。これ。

アンサンブルはバラバラ、金管のピッチは悪い。木管もまちがいだらけ。しかし、おもしろい。

第3楽章の最後なんか、胸、バクバクします。

第4楽章

弦楽の低音をささえに、金管も木管も一生懸命ひいています。

しかし、ピッチが悪い。

しかし、だんだん乗ってきます。

そう、乗ってきます。

そう、最初のクライマックスう。

すごいっす。

すごいっす。

ナにこれ。

ど迫力。

それで最後まで一気に演奏します。

まあ、よくもまあ、

これだけ

パワフルにねえ。

これ、本当に下手な演奏だと思うんです。

しかし、心臓バクバクしますよ。

・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104(ハース版)[63:25]
 拍手:0:41
 第1楽章:17:17
 第2楽章:14:48
 第3楽章:11:06
 第4楽章:20:14
 拍手:2:40
 録音時期:1976年7月29日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

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ジャンジャンのブルックナー交響曲全集 朝比奈さん最初のブルックナー交響曲全集

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ジャンジャン ブルックナー 交響曲全集

レコードというメディアが、日本でのクラシックマーケットに残した、おそらく最大の業績は、このディスクジャンジャンのブルックナーの交響曲全集ではないかと思います。

歴史的な意味は計り知れないです。ひとつのクラシックのブームをつくった立役者として、永遠に名前をきざむことのできる大偉業です。

これだけ、企画と演奏にすばらしく一貫性のある全集は、ほかにありません。朝比奈さんのブルックナーは、これ以降、全集としてもほかに2つ、選集もたくさんあるのですが、すべてがここから始まったのです。

当時、朝比奈さんの演奏は、非常に好評でしたが、最初の録音は学研のベートーヴェン交響曲全集、そしてメジャーレーベルはヴィクターのやはりベートーヴェンの交響曲シリーズです。当時、朝比奈さんのブルックナーはかなり評判だったのですが、レコード会社はその気になりませんでした。

ジャンジャンは、渋谷にあったスタジオですが、今はもうありません。跡地は、小さなホールと喫茶店になっています。

ここのオーナーの高橋氏が、朝比奈さんのブルックナーの演奏会に行き、大感激して、私財をはたいて、ブルックナーの交響曲全集を作ったのです。最初、LPのセットで限定500部でした。

高橋さんは、東京文化会館で朝比奈さんのブルックナーの演奏会を聴き、いたく感動したそうです。そして、上野公園から上野駅に下りる道で、その日の聴衆の反応を感じ、3往復もして、その日の数多くの聴衆もやはり同じ思いであることを知りました。そして、一大決心をしました。

最初は、大阪フィルではなく、東京のオケにしたらというアイディアもあったようですが、絶対的に大阪フィルでなければいけない、と高橋氏はゆずりませんでした。彼、信念の大偉業です。

そして、会場は、音響のいい、神戸文化ホールが選ばれました。

第7、第8、第9の3曲がまず録音されました。それ以外については、大フィルの定期演奏会、東京定期演奏会のプログラムに組まれ、実況録音されました。

最初の3曲を録音した段階で、高橋さんは、第8の演奏が気に入らなかったらしく、再録音をしました。この前の録音は、最近になって発売されましたが、とてもいい演奏ですが、最初に出た再録音の方が数段いいです。

この第8番の再録音は、すこしだけ聴衆をいれて録音しました。私は、これを聴きに行きました。神戸文化ホールで、聴衆は、一番後ろの席でした。オケは公開録音ですが、本番ではないので、私服でした。

この公開録音、すばらしい演奏でした。そして、演奏終了後、朝比奈さんは、コンマスの安田さんと握手をしていまい、解散してしまったので、これ一発勝負の録音です。一部修正はしていません。本当は、修正をする予定だったそうですが、朝比奈さんがそれをわすれてしまい、解散してしまったそうです。しかし、この演奏、修正する必要がないほどの完成度です。最終楽章の最初のテンポの乱れがあり、もし直すならそこでしょうが、これは修正しなくていいです。

そして、第2番も同じ条件で録音されました。私は残念ながら、この第2番はいっていないのですが、行った友人によると、聴衆の大部分は、この曲をはじめて聴いたのだけれど、最初の楽章だけで圧倒された、ということでした。このときは、ちゃんととりなおしをしたので、一部修正しています。

この公開録音という方法は、大成功で、このあと、ヴィクターのブラームスの交響曲全集がこのやりかたで録音されています。この録音のさなか、コンマスの安田さんがバイク事故で側溝にはまり亡くなるという大事件があり、大フィルは危機を迎えることになるのですが。

こういうふうに、最初の3曲と第2番が録音されました。それから、演奏会のライヴが録音されました。

私が録音された生演奏をきいているのは、第3番、第5番、第8番です。

個々の演奏はひとつひとつ全部書く予定ですが、この全集の特色は、ものすごい熱気がある、ということでしょうね。最後のころの大フィルとくらべて、下手だし、音も美しくないのですが、聴いていると、それ、すぐに慣れてしまい、その熱気ムンムンにやられます。

そして、

これ、すごーい

すごーい

すごーい

ということになってしまいます。

これほど、情熱に満ちた、そして生命力にあふれたブルックナー、ほかにないです。

本当にすばらしい全集です。

このLPは、最初、第8番のみ2枚組みで発売されました。そしてすぐに買いました。非常に発売枚数が少なかったのですが、私は、大フィルの合唱団のメンバーでしたから、予約できました。

そして、7,8,9の3曲がセットで発売されました。全部2枚に切っています。第9は3面ですが。それで、リハーサル風景がついています。このセットも購入しました。そして、8番ぬきという方法でも買うことができました。

最後に全集が出ました。第1番以外は2枚使うという、非常にぜいたくなカッティングでした。そして、7、8,9を買った人は、1から6だけという販売もしていました。このときに特典盤としてついていたのが、聖フロリアンのあの超絶的な第7番です。ただし、特典なので、1枚のカッティングで音のレベルはよくありません。あとのヴィクター盤が数段いいです。この全集、解説書がないです。簡単なデータと、朝比奈さんが最後の5番の録音のときに書いた文章だけです。

あとになって、第8番は再録だということで、最初に出た1枚が、もとの演奏ではないか、というウワサが出ましたが、私は全部持っているので、それは違います、と断定できました。

このプレスは、500部しかありません。高橋氏は再プレスを拒否したのです。いや1000部だったかもしれません。

これのCDは相当あとになって、かんたんな紙ボックスのもので発売されました。

それから、再生テープレコーダーを当初録音したのと同じアンペックスにして、グリーンドアから非常に立派なボックスいりのセットで出ました。これは非常に高価だったのですが、すぐにタワーとかHMVで大安売りされました。ここには、第8番の旧録音が含まれています。それにリハーサル風景がはいっていますが、あまり語りはありません。ここには、相当くわしい解説書がはいっています。ここで、いろんな事情がはじめて明らかにされました。

このなかの7,8,9については、ワンポイントとマルチと異なるマスターがあります。それで、最後のこのグリーンドアのものは、最初のLPとは、かなり印象が異なるものになっています。

このセットは、廃盤になっていますが、流通在庫や中古品はあると思います。
定価は約4万円と非常に高価ですが、流通価格は1万円台だと思いますが、変動します。
全集のみの販売です。

以下、データ
HMV HPより
各曲のコメントにジャンプします。
【収録情報】
DISC1
交響曲第1番ハ短調 WAB.101(ハース校訂リンツ版)[46:59]
 第1楽章:12:28
 第2楽章:11:39
 第3楽章:09:14
 第4楽章:13:38
 拍手:1:19
 録音時期:1977年1月24日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC2
交響曲第2番ハ短調 WAB.102(ハース版)[69:52]
 第1楽章:19:12
 第2楽章:18:30
 第3楽章:10:25
 第4楽章:21:45
 録音時期:1976年8月25日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC3
交響曲第3番ニ短調 WAB.103(エーザー版)[57:38]
 チューニングと拍手:1:48
 第1楽章:19:41
 第2楽章:15:05
 第3楽章:06:57
 第4楽章:15:55
 拍手:1:57
 録音時期:1977年10月28日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC4
交響曲第4番変ホ長調 WAB.104(ハース版)[63:25]
 拍手:0:41
 第1楽章:17:17
 第2楽章:14:48
 第3楽章:11:06
 第4楽章:20:14
 拍手:2:40
 録音時期:1976年7月29日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC5&6
交響曲第5番変ロ長調 WAB.105(ハース版)[78:25]
 拍手:0:38
 第1楽章:21:30
 第2楽章:17:28
 第3楽章:14:33
 第4楽章:24:54
 拍手:5:11
 録音時期:1978年1月25日
 録音場所:大阪フェスティバル・ホール
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC7
交響曲第6番イ長調 WAB.106(ハース版)[59:13]
 チューニングと拍手:1:53
 第1楽章:17:44
 第2楽章:17:08
 第3楽章:09:17
 第4楽章:15:04
 拍手:7:27
 録音時期:1977年9月1日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC8
交響曲第7番ホ長調 WAB.107(ハース版)[67:44]
 第1楽章:20:50
 第2楽章:23:10
 第3楽章:09:34
 第4楽章:13:10
 録音時期:1976年4月14日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 未発表オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC9&10
交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)[84:26]
 第1楽章:16:00
 第2楽章:16:50
 第3楽章:26:59
 第4楽章:24:37
 拍手:4:57
 録音時期:1976年8月23日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC11
交響曲第9番ニ短調 WAB.109(ハース版)[64:55]
 第1楽章:26:50
 第2楽章:11:27
 第3楽章:26:38
 録音時期:1976年4月22日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 新発見のオリジナル・マルチによるデジタルリミックス盤

DISC12&13
・交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)[82:47]
 第1楽章:15:49
 第2楽章:16:38
 第3楽章:26:20
 第4楽章:24:00
 録音時期:1976年4月15、16日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC14
・交響曲第2番ハ短調 WAB.102(ハース版)~リハーサル
 第1楽章:23:54
 第2楽章:05:56
 第3楽章:06:06
 第4楽章:14:18
 録音時期:1976年8月25日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC15
・交響曲第4番変ホ長調 WAB.104(ハース版)~リハーサル
 拍手:0:41
 第1楽章:12:40
 第2楽章:16:05
 第3楽章:7:37
 第4楽章:23:02
 拍手:2:40
 録音時期:1976年7月29日
 録音場所:東京文化会館
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC16
・交響曲第8番ハ短調 WAB.108(ハース版)~リハーサル
 第1楽章:08:19
 第2楽章:07:14
 第3楽章:21:47
 第4楽章:07:57
 録音時期:1976年8月23日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(公開セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

DISC17
・交響曲第9番ニ短調 WAB.109(ハース版)~リハーサル
 第3楽章:54:59
 録音時期:1976年4月22日
 録音場所:神戸文化ホール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 オリジナル・マスターからのデジタル・マスタリング

 大阪フィルハーモニー交響楽団
 朝比奈隆(指揮)

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フルトヴェングラー 交響曲第2番 朝比奈隆 大阪フィル 1984 東京文化会館

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フルトヴェングラー 交響曲第2番 朝比奈

フルトヴェングラーの交響曲第2番については、朝比奈さんが、なぜか演奏することに執念をもやした曲です。やりたくてやりたくてしょうがなかった。

それで、とうとう実現したのです。

オーケストラは、この曲をやることをおそれていたそうです。

それで、やはり大変でした。

大指揮者ですが、作曲家としては、どうみても一流ではないというのが、大方の評価でしょう。

しかし、そんなことは関係ないのです。朝比奈さんがフルトヴェングラーその人に心酔しているわけです。

それもその思いがタダモノでないのは、それが、第200回定期演奏会という、キリ番の会に用意したのです。それが、大阪の演奏会。それから、東京にもっていきました。

録音が残っています。1984年7月2日、東京文化会館、ライヴ録音です。

当初ビクターで出ていて、すぐに廃盤になりました。

ネットオークションでは、相当な価格がつきました。

そうしたら、タワーレコードが復刻しました。

今は、タワーレコードで買うことができます。

曲は、やはり退屈なんですね。長いだけ、としか・・・。

【曲目】
DISC-1
フルトヴェングラー:交響曲第2番ホ短調
第1楽章:アッサイ・モデラート・アレグロ
第2楽章:アンダンテ・センプリーチェ

DISC-2
フルトヴェングラー:交響曲第2番ホ短調
第3楽章:ウン・ポーコ・モデラート
第4楽章:ラングザーム・アレグロ

【演奏】
朝比奈隆指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団
【録音】
1984年7月2日、東京文化会館(ライヴ)

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シューベルト 未完成/ワーグナー パルシファルより 朝比奈隆 東京都交響楽団 1995/1993

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朝比奈 未完成 パルシファル

朝比奈~東京都交響楽団の再発もの。

この未完成は、阪神大震災の直後の演奏。朝比奈御大のお屋敷もおおきな影響を受けただけでなく、交通機関も麻痺していた中、東京に出て来てし指揮をした演奏。私は、このライブは聴いていない。

朝比奈さんの未完成は、1974年に大阪フィル合唱団のデビューのコンサートで、ドヴォルザークのスターバートマーテルの前に演奏されたのを袖できいていたのが最初。

この演奏、けっこう朴訥しているようで、すごくこころやすまるものがあり、とても好きな演奏である。

つぎのパルシファルは、最初に出たときに、あまりにすごい演奏でちょっとびっくりした。ぶっきらぼうで始まり、とくに念入りに演奏しているというイメージはないのだが、素朴ながら心がこもっており、非常に聴きごたえがする。とくに聖金曜日の音楽の美しさは出色。ぜひ、パルシファルは全曲やってほしかったなあ。スコアを持っていたのをテレビでやっていたが、DOVER版だったので、あれ、と思ったことがある。

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マーラー 交響曲第4番 朝比奈隆 大阪フィル 1968年

朝比奈 マーラー 交響曲第4番
通販で申し込んでいたが、やっと入手した。

朝比奈さんファンにとって、まさに涙なしに聴く事ができない、発掘モノとしては、最上級のものである。

朝比奈さんは、マーラーを第1はやらないと公言していたわけだが、第4はやった歴史があった。しかし、晩年とりあげなかったから、どういう演奏だったかは、非常に気になるところであった。

それが、今、聴く事ができる。

朝比奈さんが存命だったら、この演奏について、何とコメントしただろう。

朝比奈さんのマーラーは、名演が多いのである。この演奏は、1968年で、東京文化会館のライブ。モノラルだが、けっこう音はよい。

第3楽章がやはり、とてつもない名演奏。すなおな表現だが、非常によくうたう。後年のザッハリッヒなマーラーより、この方が面白い。けっこうテンポも動く。

大フィルのレベルだって、悪くない。

樋本栄さんは、大阪のソプラノの大御所である。イタリアもののオペラをよくうたっていたし、私も大フィルの合唱団時代、ソリストとして、第九などに出ていた。思ったよりもすっきりしたうたい方で、よかった。イタリアっぽい歌い方ではあるが。

しかし、なぜ、晩年にとりあげなかったのだろう。

HMVコメント

朝比奈隆初のレパートリー!
マーラー交響曲第4番登場!

ついに封印が解かれました! 朝比奈初のレパートリー、マーラー交響曲第4番の登場です。朝比奈がその生涯にこの曲を指揮したのは1968年の2回(3回とも言われております)だけでした。
 しかし演奏内容は、朝比奈がなぜこの曲をレパートリーから外してしまったのか理解に苦しむほど素晴らしいものです。
 第1楽章展開部クライマック豪快さは、60歳になったばかりで気力体力共に充実していた巨匠のエネルギーをいやというほど見せ付けます。そして21分をかけて丹念に歌いこまれた第3楽章では、美と恐れの両立した演奏が繰り広げられ、当演奏の白眉と言える内容となっています。楽章終わりの雷鳴をあらわす激しい部分の迫力にも凄まじいものがあり、自然の脅威を強大に示しているのが印象的。
 音は残念ながらモノラルですが、放送用収録のため、周波数レンジやダイナミック・レンジは十分な水準に達しており、テープの保存状態も良好だったため、マーラー作品の鑑賞にも問題のないクオリティが保たれています。なお、マスタリングはドイツのWEITBLICKレーベルでおこなわれています。

【ヘンリー・フォーゲル(元シカゴ響総裁)の解説より】
朝比奈の演奏がすばらしいのはあらゆるものを把握して表現している点である。朝比奈の指揮ぶりについてよく知っている人たちはアダージョの最初のパートで美しく内面を見つめるような演奏を予想するところだが、楽章の終わり、クライマックスの爆発における獰猛な様にびっくりするかもしれない。マーラーのスコアでは多くの箇所で記載されているが、しばしば控えめに演奏されてしまうポルタメント(ある音から次の音へスライドしていく)を実に効果的に使って、朝比奈は鋭く辛辣で奥深い感情をすみからすみまで付け加えていく。そしてスケルツォの恐ろしさで身震いするような低音(表面からかなり離れて下方にあるわけでは決してない)はこの解釈からすればはっきりと明確に奏でられる。

【収録情報】
・マーラー:交響曲第4番ト短調

 樋本栄(ソプラノ)
 大阪フィルハーモニー交響楽団
 朝比奈隆(指揮)

 録音時期:1968年9月2日
 録音場所:東京文化会館(大阪フィル第7回東京定期演奏会)
 録音方式:モノラル(ライヴ)
 音源提供:朝日放送
 エンジニア:幸西徹昌

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ブルックナー 交響曲第4番 朝比奈隆 新日本フィル 1992年 DSDリマスター

朝比奈 ブルックナー 交響曲第4番

新日本フィルでは、ブルックナーのチクルスをやったのだが、それは5,7,8の3曲。それ以外に、同時期に定期演奏会で取り上げたのが、この4番で、同時期のものとして、セットで発売されたのである。演奏の計画としては、4曲セットで行われたが、この4番だけ定期演奏会になったようである。

1992年5月13,15日(ライヴ)東京文化会館、オーチャードホールの2つの会場での録音。これは実際には聴いていない。

今回のシリーズの中では、会場が違うこともあるだろうが、かなり響きが違う。かなり残響が多いが、ホールトーンを重視するというより、フォルテッシモのときに音が少々にごる。

演奏のスタイルとしては、かなり重厚なつくりで、またマッシブな力がある。非常に迫力に富んだ演奏である。オケのトーンは、やはり大フィルよりは透明感があり、きちんと弾いているのはいつもと同じ。ほかの新日本フィルとの演奏と比べても相当パワフルな演奏の1つと思う。

第1楽章からして、相当パワーが入った演奏。後年のものとは違って、相当力強い。一気に進んでしまう。

第2楽章は、最初のチェロのテーマも十分厚い響きをもっており、これも後年のものと比べると、ずいぶん強い演奏。木管も、へんな表情というのがなくて、ストレートな表現。

第3楽章は、朝比奈さんのスケルツォ表現がいつもそうであるように、比較的ゆっくり目で、重量感があるもの。今回は、主部の最後のところで、かなりテンポがはやくなる等、相当いじっている。

第4楽章も最初からマッシブな響きがすばらしい。勢いもある。数ある朝比奈さんのロマンティックの中では、もっとも力強い表現だろう。録音はちょっと飽和気味である。ここでも、けっこうテンポは揺らしており、必ずしもインテンポではない。

しばらくぶりに聴いたのだが、こんなにすごい演奏だったかと、あらためて思う。

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ブルックナー 交響曲選集 朝比奈隆 新日本フィル

朝比奈さんは、新日本フィルの指揮顧問団の1人だったので、たびたび指揮台に登場した。とくにコンサート形式のニーベルングの指環は画期的な業績。ただ、あの指環のころは、朝比奈さんの健康は絶不調だったと、あとで本人からきいたことがある。

ところでブルックナー。かなり長期間にわたってとりあげているが、ここで話題にするのは、新日本フィルでチクルスをやったときで、これは、5番、7番、8番だった。その前に4番をやっていて、この4曲で1セット。私は、チクルスの3回のコンサートに行った。

このほかにちょっとたったときに、第3番をやった。これはたしか版がノヴァーク版だった。朝比奈さんは、3番は、いろいろな版を取り上げている。どれが、好きだったのか。

このシリーズは、フォンテックで録音され、映像もある。

このCDは、オケの音が非常に洗練されていて、とても状態がよい。朝比奈さんの新日本フィルのベートーヴェンもそうだが、音の純度が高く、とてもすばらしい演奏である。

録音があんまりよくなかったが、リマスターして、見違えるような音になった。

曲ごとの説明は、以下のリンクを

  ↓ ↓ ↓

交響曲第3番
交響曲第4番
交響曲第5番
交響曲第7番
交響曲第8番

朝比奈さんは、このツィクルスでは、第9番を入れていない。しかし、東京カテドラルの最初のシリーズで、第9番は、新日本フィルだった。

映像のセットがある。

朝比奈隆 ブルックナー 交響曲選集

タワーレコードから、SACDシングルレイヤーで再発売されます。

朝比奈隆 ブルックナー交響曲選集 新日本フィル SACDシングルレイヤー

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